静岡市は、豊かな食文化とそれを支える料理人の技や想いを広く発信し、「食を目的に訪れたいまち」としての魅力を高めるため、「静岡ベストシェフアワード」を創設し、2026年2月15日に初開催となる「静岡ベストシェフアワード2025」の授賞式を実施した。
同アワードには静岡市内から41名のエントリーがあり、1次審査で11名がノミネートされ、実食による2次審査を経てファイナリスト5名が選出された。審査では、料理のコンセプト、地域性、食材の活かし方、創意工夫などが総合的に評価され、大賞1名、優秀賞2名、入賞2名が決定した。
【大賞】「山も海も、そばに」/手打ち蕎麦たがた・田形治氏
栄えある大賞を受賞したのは、「手打ち蕎麦たがた」の田形治氏である。田形氏は、井川の焼畑農法による静岡在来蕎麦を使用し、食材を使うだけでなく静岡そのものを感じさせる料理「山も海も、そばに」を提供した。同氏の料理には、井川の静岡在来の蕎麦粉、萩錦酒造の安倍川伏流水、豊好園のかぶせ茶、駿河湾の海水の自家製塩、岡田商店のしらすが使用されている。
授賞式では、地下60メートルから自噴する安倍川の伏流水を使用した十割蕎麦が水蕎麦として披露され、力強い味わいがプレゼンテーションされた。田形氏は、焼畑農法が自身が育った用宗の海の再生につながるとの思いを語り、地域生産者とともに在来蕎麦の栽培に取り組むなど、土に根差した姿勢や食文化の未来への貢献が高く評価された。
【優秀賞】静岡の未来と出汁の可能性を発信
優秀賞には、「SINQ」の保崎真吾氏と「清游」の内海亮氏が選ばれた。
保崎氏は井川をテーマにした「井川 山のめぐり」を制作。種茂の最中、里芋の親芋、ゆず、望月仁美氏の干し椎茸、森山養鶏場の駿河軍鶏、Wildhuntの鹿、滝浪園の山葵と初摘み茶葉、萩錦酒造の麹を使用し、「生産者とともに静岡の未来を盛り上げたい」と語った。
一方、内海氏は、昆布資源の減少を背景に昆布の旨味を静岡特産の茶に置き換えた「”静岡出汁”の御椀~過去・現在・未来~」を発表した。この料理には、高嶋酒造の仕込み水、豊好園のかぶせ茶、清水区三保産の甘鯛、沼津市産の煮干し、三島産の蕪・菜花・金時人参、ヤマナ増田商店の鰹節が使われており、日本料理における未来の出汁の可能性を発信した。
【入賞】お茶の繋がりと歴史を紐解く一皿
入賞には、「ルモンドふじがや」の白鳥智香子氏と「府中かしわで」の市川岩生氏が選出された。
白鳥氏は、茶農家や茶商とのつながりを表現した「静岡市高橋さんが育てて、山梨さんが仕上げたほうじ茶『香寿』のパピヨット 静岡の柑橘といちごを添えて」を提供。半発酵茶香寿のスパークリング茶やほうじ茶、美黄卵、こん太(金柑)、静岡章姫(いちご)、高橋さんの庭の干し柿、はれひめ(柑橘)を使用した。
市川氏は、聖一国師生誕の地である足久保の歴史を紐解いた「足久保 源流の一皿 -聖一国師の里より-」を披露し、足久保茶、県内産の駿河軍鶏や大豆・金な粉、静岡市近郊の駿府野菜、硯水泉の清流の恵みを使用し、地元の歴史を表現した。
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編集:小田菜々香













































