米連邦最高裁、トランプ氏の関税政策を「違憲・無効」と判断 各国との貿易協定に広がる波紋と不透明感

2026-02-23 13:41
2026年2月20日、米連邦最高裁判所が大統領による「国際緊急経済権限法」に基づいた関税徴収を違憲と宣告した後、記者会見を開いたドナルド・トランプ氏。反対した判事を批判し、徴税のための新たな法的根拠を模索すると強調した。(写真/AP通信提供)
2026年2月20日、米連邦最高裁判所が大統領による「国際緊急経済権限法」に基づいた関税徴収を違憲と宣告した後、記者会見を開いたドナルド・トランプ氏。反対した判事を批判し、徴税のための新たな法的根拠を模索すると強調した。(写真/AP通信提供)

米連邦最高裁判所は20日、歴史的な判決を下し、ドナルド・トランプ米大統領(Donald Trump)が第2期任期中に「国際緊急経済権限法」に基づいて推進してきた関税政策の大部分を無効と宣告した。

これは「MAGA(Make America Great Again)」経済学への痛烈な一撃であるだけでなく、ホワイトハウスが高関税を武器に各国に迫った貿易協定の先行きを不透明なものにした。米紙『ニューヨーク・タイムズ』は21日、最高裁の違憲判決とトランプ氏による「プランB」発表を受け、主要各国の経済現状と今後の展望を詳細に分析した。

『ニューヨーク・タイムズ』は、トランプ氏が関税を用いて貿易協定を迫る論理は「単純かつ強引」だと指摘する。本来なら天文学的な数字に跳ね上がる可能性のある関税を、貿易協定への署名を通じて15%から20%程度に引き下げる代わりに、相手国に巨額の対米投資や貿易譲歩を約束させるという手法だ。

連邦最高裁はこの手法を違憲としたが、トランプ氏は当然ながらおとなしく従う姿勢を見せていない。判決発表後に記者会見を開き、全世界を対象とした10%の関税を課すと宣言、その直後にはさらに15%へ引き上げるとSNSに投稿した。

米国の司法権が行政権を牽制し、行政権が法律と解釈の隙間に活路を見出そうとする中、同紙は憲政と貿易の危機における主要国・地域の運命を次のように分析している。

中国:層状に積み重なる関税の壁

トランプ氏の貿易戦争における最大の「悪役」といえば、中国にほかならない。ここ数年、中国の対米輸出品には何層もの関税の足かせが嵌められてきた。同紙は、米国の対中関税を「積み重ね可能(stackable)」な構造と見ており、同一商品に対して異なる法的根拠に基づく複数の関税が適用される可能性があるとしている。

最高裁の判決により、10%の普遍的関税や、合成麻薬フェンタニル(fentanyl)の米国流入阻止失敗を理由とした10%の懲罰的関税など、いくつかの層は剥がされた。しかし、中国製電気自動車(EV)に対する100%という壊滅的な関税や、鉄鋼・アルミニウム製品への50%以上の重税は依然として揺るがない。 (関連記事: トランプ氏、イランに「10日以内の核合意」最後通告か 拒否なら軍事攻撃の可能性も――テヘラン「権力の空白」という懸念 関連記事をもっと読む

さらに、米中間の地政学的争いも止むことはない。トランプ氏と中国の習近平国家主席は昨年10月に韓国で会談し、貿易戦争の一時休戦に合意した。計画では、トランプ氏は今年3月末に北京を訪問し、再び習氏と会談する予定だ。しかし同紙によれば、既存の関税障壁により、昨年の中国の対米輸出は約5分の1に激減した。この状況を打開するため、中国は柔軟な「産地ロンダリング(迂回輸出)」戦略を展開し、販売の重心を東南アジア、アフリカ、欧州、ラテンアメリカへと移している。多くの中国企業は最終組立工程を東南アジアやラテンアメリカの工場に移転し、トランプ氏による「中国製造(メイド・イン・チャイナ)」への直球勝負を巧みにかわしている。

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