香川県東かがわ市で伝統行事「引田ひなまつり」に合わせ、東京藝術大学と香川大学、地域住民が連携したまちづくりプロジェクト「ぐんだらけ」によるアートプログラム「作品展 ヒナホドキ」が2月27日から開催される。
本展では、株式会社クリエイターズネクスト代表でアーティストの窪田望氏を含む5組のアーティストが、地域の歴史や文化、記憶を題材とした作品を展示し、伝統行事をアートの力で未来へとつなぐ試みを行う。
地域に根ざす対話型プロジェクト「ぐんだらけ」
「ぐんだらけ」は、2024年度より始動した地域実装型まちづくりプロジェクトであり、引田の方言で「だらだらとおしゃべりすること」を意味する「ぐんだら」をキーワードに掲げている。歴史ある港町・引田に設けた拠点「ぐんだら家」を中心に、アーティスト、研究者、学生、地域住民が対話を重ね、地域社会の課題に向き合っている。
今回の展示は第24回「引田ひなまつり」と連動し、瀬戸内国際芸術祭の会場となった笠屋邸など市内5カ所の家屋を舞台に、3月3日まで行われる。
AI技術「バウンディングボックス」で可視化する地域の記憶
注目されるのは、国内外で20のAI特許を持つ専門家でありながら、アーティストとしても活動する窪田望氏の新作インスタレーション『よみがえる雛たち』である。窪田氏は、東かがわ市引田の人々との交流を通じて、地域独特の豪華な雛人形の飾り付け「引田飾り」や、お接待の文化を取材した。
担い手不足により失われつつある文化継承の課題に対し、窪田氏はAIが画像を認識する際に用いる「バウンディングボックス」を鉄とLCDディスプレイで立体化し、その内側に住民から集めた言葉や記憶を重ね合わせる手法で表現した。
テクノロジーと土着文化の実験的融合
作品『よみがえる雛たち』は、池田家具にて展示され、使われなくなった雛人形や振動スピーカー、引田の言葉などが素材として用いられている。
窪田氏は、AIの計算の仕組みになぞらえて住民の語りを再構築し、こぼれ落ちそうな記憶や見えにくい声に静かな居場所を作ることを意図している。これは、膨大なデータによって形成されるAIを、地域の生きた言葉によって編み直すという、テクノロジーと土着文化の融合を試みる実験的な作品となっている。
プレスツアーや参加型イベントも充実
会期初日の2月27日午前11時からは、アーティストと共に作品を巡るプレスツアーが開催され、窪田氏をはじめとする参加作家が自ら作品解説を行う予定である。
また、期間中の土日には、引田小学校の児童と共に制作した衣装をまとって練り歩くパレードや、アーティストトークイベント「ぐんだらミーツ」、住民によるライブパフォーマンスなども企画されており、伝統行事と現代アートが交錯する多彩なプログラムが展開される。
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編集:小田菜々香


















































