大阪市中心部のキタとミナミをつなぐ地下鉄新線「なにわ筋線」が2031年に開業を予定する中、新線の駅ができる北区中之島5丁目の周辺では、タワーマンションの開発が複数進んでいる。
中之島は堂島川と土佐堀川に挟まれた東西約3キロメートルの中州で、大阪市役所や日本銀行大阪支店などがある大阪メトロ御堂筋線淀屋橋駅付近と比べると、西側の5丁目周辺は南北に移動できる鉄路からやや離れ、これまでは住環境として注目されにくいエリアだった。
だが、新駅ができればキタ、ミナミのどちらにも近く、関西空港にも行き来しやすくなる。その圧倒的な利便性が注目され、現在タワマンの開発計画が相次いでいる。
竣工前に全戸完売した「シエリアタワー中之島」
そのタワマンの一つで、関西電力グループの関電不動産開発が大阪市福島区に建設していた地上46階建ての「シエリアタワー中之島」(全364戸)が完成し、2026年2月18日に報道公開された。
間取りは1LDKから4LDKで、価格は5199万円から5億9990万円。期限を設けて借りた土地に建てる約70年の定期借地権付きで、2098年2月末には建物を取り壊して土地を返却しなければならないため、同規模のマンションの相場よりも15〜20%ほど価格を抑えた設定となっている。
2023年8月から5期に分けて順次販売したが、この数年のマンションの値上がりで、最後の2025年8〜11月の販売価格は1期より3割近く上がった。
関電不動産開発の福本恵美社長は、中之島周辺でこれまで大規模住宅が少なかったとした上で「通勤の利便性や職住近接を考え、便利な立地に住まいを持ちたいという方が多い」と話し、駅近の好立地と割安感から最高価格約6億円の物件を含め、竣工前の2025年11月には全戸完売したという。
【購入者の属性と目的】
- 職業割合: 会社役員(44%)、会社員(30%)、医師(10%)
- 年齢層: 30代(25%)、40代および60代以上(各24%)
- 購入目的: 実需の自宅・居住用(59%)、投資目的(21% ※同社の他のタワマンより低い水準)
3階の共用部には堂島川を望む「リバーサイドラウンジ」を設けたほか、マンション頂上部の周囲143メートルにはLEDを約2万個設置し、日没から午前0時まで毎日点灯する。
周辺ではさらなる開発も進み、関電不動産開発、NTT都市開発、住友商事は2032年の完成を目標に、西日本最高層の57階建てタワマンの建築の準備を進めており、その隣でも住友商事などが52階建てのタワマンを計画している。 (関連記事: 大阪・中之島に日本最大級の57階建てタワーマンション 2032年完成へ | 関連記事をもっと読む )
インバウンドと新幹線延伸を見据える「新大阪エリア」
一方、大阪の陸の玄関口である新大阪駅周辺の開発も大きく動き出した。他の新幹線の主要駅に比べ開発が進んでこなかったが、地権者が多く調整が難しかったとされる中、2022年10月に新大阪駅周辺が「都市再生緊急整備地域」に指定された。国の後押しに加え、インバウンド需要増の追い風もあり、2037年以降の開業を予定するリニア中央新幹線や北陸新幹線の延伸を見据え、不動産事業者らの開発意欲が高まっている。


















































