米最高裁の「関税違憲」判決にトランプ氏が猛反発 EUやアジアなど貿易協定国へ「小細工するな」と引き上げ警告

2026年2月20日、米連邦最高裁が「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づく関税発動に違憲判決を下したことを受け、記者会見を開いたトランプ氏。違憲とした判事らを批判し、別の法的根拠に基づき関税を課す考えを強調した。(写真/AP通信)
2026年2月20日、米連邦最高裁が「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づく関税発動に違憲判決を下したことを受け、記者会見を開いたトランプ氏。違憲とした判事らを批判し、別の法的根拠に基づき関税を課す考えを強調した。(写真/AP通信)

米連邦最高裁判所が「大統領に恣意的な関税発動の権限はない」と判断したばかりだが、トランプ氏は即座に新たな世界的関税を発表し、さらに税率を10%から15%へと引き上げた。同氏は23日、すでに米国と貿易協定に署名した国々に対し、「小細工」をするなと公然と威嚇し、従わなければ関税のさらなる引き上げや、より厳しい懲罰を科すと警告した。

判決を盾にする国へ「買い手は注意せよ」

​トランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で、「馬鹿げた最高裁の判決を盾に『小細工』をする国、とりわけ長年にわたり米国を『搾取』してきた国は、協定で合意した水準をはるかに超える関税、あるいはさらに厳しい懲罰に直面することになる。買い手は注意せよ(Buyer beware)!!!」と述べた。

しかし米メディア『ブルームバーグ』は、この投稿について、大統領の関税権限が最高裁によって削がれた後も、米政府が貿易相手国と結んだ協定の効力と完全性を必死に維持しようとしている焦りの表れでもあると指摘している。

EUは手続き凍結、深まる大西洋横断の亀裂

注目すべきは、欧州連合(EU)がトランプ政権との協定批准手続きをすでに凍結しており、欧州議会が手続きを進める前にトランプ氏の関税計画を明確にするよう求めている点だ。一方、中国、台湾、日本、韓国、英国など、米国と貿易協定で合意した国々は現在、静観の構えを見せている。

トランプ氏の投稿がEUに向けたものかとの問いに対し、ホワイトハウスは即座には回答しなかった。しかし、トランプ氏は投稿の中で「大統領として、もはや議会に関税の承認を求める必要はない」と強調しており、この主張は明らかに最高裁の判決趣旨に反している。

ブルームバーグ』の報道によると、EUの試算では、トランプ氏の新関税政策により一部のEU輸出品に対する関税が引き上げられ、貿易協定で許容された15%の上限を超えることが判明した。欧州議会も米欧貿易協定の審議を一時停止し、トランプ政権に新たな貿易政策の説明を求めており、詳細の解明には数カ月を要する恐れがある。

一方、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のエコノミストは、アジア地域の加重平均関税率が20%から17%へ、中国製品の平均関税率が32%から24%へと低下すると指摘している。トランプ政権が関税体系の再構築を目指している現在、これらの関税軽減は一時的な現象に過ぎない可能性がある。

制限された「関税の棍棒」と今後の訴訟リスク

『ブルームバーグ』は、最高裁の違憲判決により、トランプ氏の「関税の棍棒」の使い勝手が明らかに制限されたと指摘する。同氏は速やかに1974年通商法第122条に基づき、最大150日間の一律10%世界的関税を実施すると発表し、翌日には税率を15%に引き上げた。
(関連記事: 「関税男」の失墜と再起ーー最高裁がトランプ氏の“無制限関税権”を否決、より混乱する経済戦国時代の幕開けか 関連記事をもっと読む

各界は、同氏がいつ1974年通商法第301条や通商拡大法第232条を発動して関税を課すかに高い関心を寄せている。しかし、これらの措置には前提として事前調査が必要であり、トランプ氏が調査結果を無視して恣意的に課税するかどうかが、今後の最高裁における訴訟の焦点となる恐れがある。

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