「時代の涙」訪日客の定番Wi-Fi「Wi-Ho!」が年内で台湾サービス終了へ eSIM普及で市場に変化

かつて台湾人の訪日「神器」と呼ばれたWi-Fiレンタル「Wi-Ho!」が、eSIM普及に伴い2025年内での台湾撤退を発表しました。(写真/Wi-Ho!提供)
かつて台湾人の訪日「神器」と呼ばれたWi-Fiレンタル「Wi-Ho!」が、eSIM普及に伴い2025年内での台湾撤退を発表しました。(写真/Wi-Ho!提供)

かつて台湾人観光客が日本を訪れる際の「必需品」として親しまれたモバイルWi-Fiレンタルサービス「Wi-Ho!(特楽通)」が、台湾でのサービスを終了することが明らかになった。

Wi-Ho!特楽通は公式Facebookページにて、日本本社である株式会社テレコムスクエアの経営戦略見直しに伴い、2025年12月31日をもって台湾での運営を終了すると発表した。公式ファンページも同日に閉鎖される。

「日本旅行の神器」の退場

国際ローミングが高額だった時代、台湾からの訪日旅行者にとってWi-Fiルーターのレンタルは主流の通信手段であり、中でも「Wi-Ho!」はその代名詞的な存在だった。今回の撤退発表を受け、ネット上では「まさに時代の涙(時代眼涙)だ」「当時は日本に行くなら必ず借りていた」「仲間とシェアして使った思い出がある」など、サービス終了を惜しむ声が相次いでいる。

台湾の著名な日本旅行専門ブロガーである林氏璧氏は、「Wi-Ho!は台湾において、日本旅行時の『一家に一台』時代を切り開いた存在だった」と指摘。その上で、「ルーターの『副作用』として、通信を共有するために旅の同行者が自分から3メートル以上離れられず、単独行動ができなかったことも今となっては懐かしい」とユーモアを交えて当時を振り返った。

eSIMへの急速な移行

市場環境の変化も撤退の背景にある。近年、海外旅行中の通信手段は劇的に進化しており、物理SIMカードやキャリアのローミングサービスに加え、利便性の高い「eSIM」への移行が急速に進んでいる。

通信技術の進歩により、かつて旅行者の「神器」と呼ばれたWi-Fiルーターは、その役割を終えようとしている。

編集:小田菜々香 

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