FIFAが「平和賞」を新設 初代受賞者はトランプ大統領の可能性が濃厚か

FIFA会長ジャンニ・インファンティーノ(右)が米国大統領トランプ氏を訪問。(AP通信)
FIFA会長ジャンニ・インファンティーノ(右)が米国大統領トランプ氏を訪問。(AP通信)
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国際サッカー連盟(FIFA)は、12月に米ワシントンD.C.で新設の「平和賞(FIFA Peace Award)」を授与すると発表した。FIFAによると、この新たな栄誉は「揺るぎない献身と特別な行動によって、世界の人々の団結と平和の実現に貢献した人物」に贈られるとしている。

初の受賞者が誰になるのか、各国メディアはほぼ一致して「FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長の人脈から見て、候補はドナルド・トランプ米大統領以外に考えにくい」と報じている。トランプ氏はこれまで何度も「自分こそノーベル平和賞を受けるべきだ」と主張してきた人物である。

報道によると、この新設の「FIFA平和賞」は、インファンティーノ会長自らが12月5日に米首都ワシントンのジョン・F・ケネディ・センターで行われるワールドカップ抽選式の場で授与する予定だという。そして、この芸術施設の理事会議長を務めるのは、ほかならぬトランプ大統領本人である。

米・加・メキシコ共催W杯を前に密接な関係

4年に一度開催されるサッカーのワールドカップは、2026年にアメリカ、カナダ、メキシコの3か国共催で実施される。その開幕を控え、インファンティーノ会長はトランプ一家と密接な関係を築いており、今年1月の就任式にも出席。さらにホワイトハウスの執務室(オーバルオフィス)を複数回訪れている。一方、トランプ氏もFIFA関連の国際大会に頻繁に姿を見せており、クラブワールドカップ決勝戦の後には自らトロフィーを授与し、優勝チームの中央で記念撮影に納まる場面もあった。

国際足総(FIFA)現任主席ジャンニ・インファンティーノ。(AP通信)
国際足総(FIFA)現任主席ジャンニ・インファンティーノ。(写真/AP通信提供)

ノーベル平和賞授与からわずか1か月後に設立

このFIFA新賞の設立は、ノーベル委員会が平和賞をベネズエラの反政府指導者マリア・コリナ・マチャド氏に授与してからわずか1か月後のことだった。これ以前にもトランプ氏は、国際紛争の終結に尽力したとして「自分はノーベル平和賞を受けるに値する」と公言していた。

「偶然」が重なる設立時期 トランプ氏を称賛する投稿も

さらに、この賞の設立時期にも数々の「偶然」が重なっている。トランプ氏が仲介役となり、イスラエルとパレスチナの和平協定締結やガザ戦争の終結を試みた際、インファンティーノ会長もともにエジプトでの協定署名式に出席していた。

その直後、インファンティーノ氏は自身のInstagramで「トランプ氏は間違いなくノーベル平和賞に値する。彼は決定的で重要な行動を取った」と投稿し、トランプ氏を絶賛していた。

このように、授与者であるインファンティーノ会長自身がトランプ氏を高く評価していることから、初代FIFA平和賞の受賞者がトランプ大統領になる可能性が極めて高いと見られている。

政治的中立性への疑問も

一方で、こうした動きに対し、複数の市民団体や関係者がFIFAの政治的中立性に疑問を呈している。特に、インファンティーノ氏がFIFA会長として「平和サミット」に出席したことについて、「意義深いが非常に不安を覚える」として、FIFAが設立当初から掲げてきた政治的中立の原則を放棄したのではないかとの批判が出ている。

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