トップ ニュース シドニー新年カウントダウン、予定通り実施へ テロ犠牲者を追悼し、平和と包容のメッセージ発信
シドニー新年カウントダウン、予定通り実施へ テロ犠牲者を追悼し、平和と包容のメッセージ発信 2024年12月31日、オーストラリアのシドニーオペラハウスとハーバーブリッジの上に年越し花火が打ち上げられている。(写真/AP通信提供)
オーストラリア・シドニー市政府は、例年通り大晦日の花火大会を実施することを決めた。一方で、花火の打ち上げに先立ち、ボンダイ(Bondi)ビーチで起きたテロ事件の犠牲者を追悼するため、特別に黙とうの時間を設けるという。主催者によれば、当日はライトアップによる追悼演出と1分間の黙とうを行い、犠牲者に敬意を表すとともに、世界に向けて平和と連帯への願いを発信する考えだ。
オーストラリア公共放送(ABC)の報道によると、当日は夜9時前からシドニー・ハーバーブリッジが白色のライトで照らされ、平和の象徴である鳩と「平和(Peace)」の文字が投影されるという。さらに午後11時には、ハーバーブリッジが再び白色の照明に包まれ、市内全域で1分間の黙とうが行われる予定だ。
シドニー市のクローバー・ムーア市長は記者会見で、会場に集まる市民に対し、スマートフォンのライトを点けて空に向けて照らし、光で連帯を示してほしいと呼びかけた。市長は「オーストラリア社会はいまも、最近起きた悲劇の衝撃の中にある」としたうえで、年越しの夜は人々が集い、立ち止まって振り返るための良い機会だと指摘。シドニーがより安全で、より平和な2026年を迎えられるよう願っていると語った。
またムーア市長は、シドニーの大晦日は盛大な花火ショーにとどまらず、この街が大切にしてきた多様性と包摂の価値観を対外的に示す場でもあると強調した。
2025年12月15日、シドニーのボンダイビーチで銃撃事件が発生した後、現場を訪れて犠牲者を悼む人々。(写真/AP通信提供)
2025年12月14日、シドニーのボンダイビーチで銃撃事件が発生し、救急隊員が負傷者を担架で搬送する様子。(写真/AP通信撮影)
「この大晦日は、立ち止まって心の痛みに向き合い、影響を受けた人々を思い、互いに思いやりと支えを分かち合う機会です。支援を必要とする人は、どうか早めに助けを求めてください。あなたは一人で抱え込む必要はありません。」
毎年12月31日の大晦日、世界で最も注目を集める壮大な花火とイベントといえば、オーストラリアのシドニーは欠かせない存在だ。地理的にニュージーランド・オークランドに次いでいち早く新年を迎える大都市であることに加え、広大な湾岸エリアやハーバーブリッジ、世界的に人気の高いオペラハウスという恵まれた景観が、花火の舞台として抜群の条件を備えている。さらに12月は南半球では夏にあたるため、毎年、数十万から数百万人もの観光客がこの特別な瞬間を目当てにシドニーを訪れる。
2018/2019年の年越し花火、オーストラリア・シドニー。(写真/AP通信提供)
再発防止に向け、シドニー警察は、例年と同様に年越しイベント当日には大規模な警備体制を敷くと明らかにした。会場周辺ではCCTVを活用して人の流れを監視するほか、市内や主要な観覧スポットで警備を強化し、イベントの円滑な運営と市民の安全確保に万全を期すとしている。
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