トップ ニュース 日本高校マーチングバンド「オレンジの悪魔」と「エメラルドナイツ」台湾で交流公演 「2025台湾遠征」全日程を完走
日本高校マーチングバンド「オレンジの悪魔」と「エメラルドナイツ」台湾で交流公演 「2025台湾遠征」全日程を完走 東京農業大学第二高等学校吹奏楽部「エメラルドナイツ」と京都橘高等学校吹奏楽部が参加した「2025台湾遠征」は、台北・嘉義・高雄・屏東での公演と交流を成功裏に終え、日台の音楽交流に確かな足跡を残した。(写真/中華文化総会提供)
日本の高校マーチングバンド2団体による「2025台湾遠征」がこのほど全日程を終え、各地での公演と交流を成功裏に締めくくった。来台したのは、東京都の東京農業大学第二高等学校吹奏楽部「エメラルドナイツ」と、京都府の京都橘高等学校吹奏楽部 (通称『オレンジの悪魔』)で、ストリートパフォーマンスからホール公演、地域交流まで多彩な活動を展開した。
東京農業大学第二高等学校吹奏楽部「エメラルドナイツ」と京都橘高等学校吹奏楽部が参加した「2025台湾遠征」は、台北・嘉義・高雄・屏東での公演と交流を成功裏に終え、日台の音楽交流に確かな足跡を残した。(写真/中華文化総会提供) 東京農業大学第二高等学校吹奏楽部「エメラルドナイツ」は、嘉義市での単独コンサートおよびフラッシュモブ形式の演奏をもって今回の台湾遠征を完走した。同部は2023年に台湾の国慶行事へ参加して以降、約2年ぶりの来台となり、西門町の街頭、台北和平バスケットボール館(和平籃球館)、嘉義市文化局音楽庁、嘉義市都市博覧会テーマ館(嘉義市城市博覽會主題館) などで演奏を披露した。今回の遠征では、台湾で初となる屋内単独公演も実現し、日台交流の新たな節目となった。
嘉義市での公演では、スタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』を題材としたミュージカル楽曲を披露。作品に込められた「名前を取り戻すことで帰る道を見つける」という物語性と重ね合わせながら、団員たちは観客に向けて強いメッセージを届けた。整然とした演奏と動き、舞台上の笑顔は、多くの観客に深い印象を残した。
一方、京都橘高等学校吹奏楽部は、高雄市の衛武営国家芸術文化中心で来台コンサートを開催。公演は「Where the Eagles Soar」で華やかに幕を開け、前半は座奏形式で、一青窈氏が作詞した「ハナミズキ」や、ミュージカル『アニー』の「Tomorrow」などを演奏し、会場を温かな雰囲気で包み込んだ。
東京農業大学第二高等学校吹奏楽部「エメラルドナイツ」と京都橘高等学校吹奏楽部が参加した「2025台湾遠征」は、台北・嘉義・高雄・屏東での公演と交流を成功裏に終え、日台の音楽交流に確かな足跡を残した。(写真/中華文化総会提供)
後半のマーチングステージでは、台湾で初披露となるブルーの制服で登場し、「恋人がサンタクロース」やカーペンターズの「Yesterday Once More」を演奏した。複数の楽器ソロも織り交ぜた構成で、観客から大きな拍手を浴びた。3年生で部長を務める大山部長は、本公演が卒業前最後の海外公演であることに触れ、台北、屏東、高雄と続いた台湾各地での声援に感謝を述べ、「台湾の皆さんが本当に大好きです」と語った。
また、公演期間中には台湾の音楽団体「同根生」の団長・楊智博氏が衛武営を訪問。自身が演奏する伝統楽器「笙」で橘高校の代表曲「Sing Sing Sing」を披露し、最終的には橘高校との共演で「Swing Swing Swing」を演奏した。楊団長は行進吹奏楽への長年の憧れと、今回の共演が実現した喜びを語った。
さらに橘高校吹奏楽部は屏東県でも交流公演を実施。「2025 屏東交響・橘色狂潮」と題したイベントが屏東国際ローラースケート場(屏東國際滑輪溜冰場)で開催され、南榮国中行進管楽団、屏東女子高級中学儀隊、美和科技大学熊鷹儀隊と共演した。当日は天候の影響で会場変更となったものの、会場には多くの観客が詰めかけ、満席となった。
公演前には屏東県長の周春米氏が感謝状を贈呈し、日台交流を象徴する場面となった。橘高校は圧巻のマーチング演奏でトリを飾り、観客は最後まで熱狂的な拍手を送り続けた。滞在中にはレンブやパイナップルケーキなどの屏東名産が振る舞われ、記念品として琉璃珠(リウリービーズ)のブレスレットも贈られた。
日本の高校生による今回の台湾遠征は、音楽とマーチングを通じて地域と世代を超えた交流を生み出し、多くの観客に深い余韻を残した。演奏を終えた団員たちは、再会を願いながら台湾を後にした。
本遠征は中華文化総会の協力のもと実施され、日本の高校吹奏楽団体による公演と交流を通じて、日台の文化交流をさらに深める機会となった。
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