「中央アジア＋日本」対話、初の首脳会合を東京で開催　東京宣言を採択

2025年12月20日、「中央アジア＋日本」対話の首脳会合が東京で開催された。同対話における首脳会合の開催は今回が初めてで、会合は午前9時30分ごろから約80分間にわたり行われた。会合は高市早苗首相が議長を務め、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの各国大統領のほか、各国閣僚が出席した。

高市首相は、中央アジア5か国首脳の訪日を歓迎するとともに、日本が2004年に立ち上げた同対話が、開始から21年を経て初めて首脳会合を開催したことに意義を示した。また、過去21年間の国際情勢の変化を背景に、中央アジア地域の国際的な存在感が高まっているとの認識を示した。これに対し、中央アジア各国は、初の首脳会合開催に向けた日本の尽力に謝意を表明し、同対話の枠組みにおける日本の役割を評価した。

会合では、中央アジア地域の重要性と潜在力、日本との協力について意見が交わされた。高市首相は、欧州とアジアを結ぶ地政学的要衝としての位置付け、エネルギー・鉱物資源を背景とした経済安全保障上の重要性、高い経済成長率と人口増加といった点を挙げ、中央アジアの潜在力を強調した。その上で、5か国の産業高度化・多様化を支援し、相互に利益のある関係を強化するため、「中央アジア＋日本」対話東京イニシアティブを立ち上げると表明した。

同イニシアティブの下で、重点協力分野として「グリーン・強靭化」「コネクティビティ」「人づくり」の3分野が特定された。グリーン・強靭化分野では、エネルギー転換・防災・重要鉱物のサプライチェーン強化・気候変動対策などに関する協力が示された。コネクティビティ分野では、カスピ海ルートを含む物流・交通連結性の強化や、日本・中央アジアAI協力パートナーシップの創設が盛り込まれた。人づくり分野では、人材育成奨学計画の継続や、保健・医療分野での協力が確認された。さらに、今後5年間で総額3兆円規模のビジネスプロジェクトを目標とすることが示された。

中央アジア各国は、東京イニシアティブを歓迎し、重点3分野における日本の協力と支援に謝意を表明した。また、資源・エネルギー開発・気候変動対策・エネルギー転換・防災・物流・交通・人材育成・保健・医療分野などにおいて、日本との更なる協力に強い関心を示した。

会合の最後には、「中央アジア＋日本」対話・首脳会合の東京宣言が採択された。また、首脳会合に合わせて、公的部門および民間部門により150件以上の文書が署名・発表された。 （関連記事： トランプ氏、ルイジアナ州知事を「グリーンランド特使」に任命　本人は「米国の一部に」発言、デンマーク反発 ｜ 関連記事をもっと読む ）