台湾全土の住民に防寒対策が呼びかけられている。北東季節風の強まりと冷たい空気の南下が相次ぐ影響で、台湾は今週、今冬に入って最も厳しい寒さに見舞われる見通しだ。気象の専門家によると、この寒気は木曜日のクリスマス前後にかけて強まり、その強さは大陸性寒気団に迫るレベルに達する可能性があるという。北部では雨を伴った冷え込みとなるほか、中南部でもはっきりとした寒さを感じる見込みだ。
クリスマスに今冬最強クラスの寒気 台北の最低気温は14度を下回る恐れ
中央気象署の観測によると、24日午後から冷たい空気の影響が徐々に顕在化し、桃園以北および東部では雲が増え、局地的なにわか雨が降る見通しだ。冷気がさらに南下するにつれ、台湾全土の気温は急激に下がり、いわゆる「滑り台式」に低下していくという。
中央大学大気科学系の兼任副教授で、「気象応用推進基金会」のコラムを執筆する呉徳栄氏は、木曜日から土曜日にかけて冷たい空気が台湾全域を覆うと指摘する。予測モデルがやや強まる方向に修正されたことから、台北観測所の最低気温は14度まで下がる可能性があり、平地では10度を下回る地点も出る恐れがある。これは今冬2度目の大陸性寒気団の到来に相当するという。
今週最も寒い時間帯は金曜夜から土曜朝 「強烈な大陸性寒気団」級も
最も寒さが厳しくなる時間帯について、気象リスク会社の分析官・薛皓天氏は、金曜日の夜から土曜日の早朝が冷え込みのピークになると分析している。状況次第では、「強烈な大陸性寒気団」に匹敵する可能性もあるという。
この時間帯、苗栗以北および北東部では日中の最高気温が15~17度程度にとどまる見込みだ。中南部では日中に日差しが届くものの、放射冷却の影響で昼夜の寒暖差が非常に大きくなる。開けた場所や山沿いの地域では、10度前後まで気温が下がる恐れがあり、注意が必要だ。

合歓山・雪山では降雪の可能性 標高2000メートル級の山岳地帯は路面凍結に警戒
水蒸気と低温が重なることで、雪を待ち望む人々にとっては朗報も期待される。呉徳栄氏によると、零度線が標高3000メートル以下まで下がる見通しで、合歓山、雪山、南湖大山などの高山では、水分条件が整えば散発的な降雪が見られる可能性がある。
一方、標高およそ2000メートルの太平山などでは、気温が零度近くまで下がるものの、雪ではなく霰(あられ)や霧氷などの固体降水が発生する確率が高いという。薛皓天氏は、山間部への外出を予定している人に対し、必ずタイヤチェーンを携行し、路面凍結に十分注意するよう呼びかけている。
年末年始は天候回復へ 来週月曜から晴天戻るも寒暖差に注意
その後の天候について、中央気象署は、寒気団は日曜日から次第に弱まり、北部を中心に気温がやや上昇すると予測している。水蒸気も次第に減少し、降雨は東部に限られる見込みだ。
来週月曜日から元日にかけては、高気圧の影響を受け、台湾全土で気温が顕著に上昇し、晴れて安定した天候となる見通しで、屋外での年越しイベントには好条件となりそうだ。
ただし専門家は、日中は過ごしやすくなっても、年越しの夜は放射冷却の影響で冷え込みが続くと指摘する。年末年始のイベントに参加する際は、重ね着などで寒暖差に対応できる服装を心がけるよう注意を促している。

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編集:梅木奈実 (関連記事: 台湾出身の起業家が大阪・心斎橋に挑戦 「日本酒ライブラリー・SAKE REPUBLIC」で日本酒の楽しみ方を再定義 | 関連記事をもっと読む )
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