高市首相、官邸でコンテンツ業界と意見交換　「日本のコンテンツ力を世界へ」

高市首相、官邸でコンテンツ業界と意見交換

12月22日、高市早苗首相は、総理大臣官邸でコンテンツ業界の関係者を招いた意見交換会を開催した。日本のコンテンツ産業の海外展開を支援し、経済成長につなげることを目的に、現場の声を政策に反映させる狙いがある。

意見交換会には、ミュージシャンのデーモン閣下・小室哲哉・Awich・こっちのけんと・映画監督の押井守氏・現代美術家の村上隆氏ら、音楽・映像、美術など多様な分野で活躍するアーティストやクリエイターと、その活動を支える産業界関係者が出席した。

冒頭の挨拶で高市首相は、日本や日本人が大切にしてきた文化・生活・価値観をコンテンツとして国内外に発信してきた参加者に謝意を示した上で、「高市内閣として、このすばらしい日本のコンテンツ力を世界中に展開したいという強い思いを持っている」と述べた。

さらに首相は、国際会議の場などで海外首脳と挨拶を交わす際、日本のキャラクターや音楽に親しむ家族の話題から会話が始まることが多いと紹介し、「日本のコンテンツ力が外交力を強くすることにもなっていると、しみじみ感じている」と語った。

高市首相は、先般成立した補正予算において、昨年度から倍増となる550億円超の予算を確保したことにも言及。この予算は基金として複数年度にわたり活用可能であるとし、国内市場にとどまらず、東南アジア・中央アジア・欧州・米国・北米など、評価の高い海外市場での展開をさらに広げていく考えを示した。

日本のコンテンツ海外展開を成長戦略の柱に

その上で首相は、「海外展開を進める際の課題や、どのような具体的支援が必要なのかについて、プロフェッショナルの皆様から御教授いただきたい」と参加者に呼びかけ、率直な意見交換を求めた。

意見交換会では、人材の確保・育成、ロケ誘致、海外展開の手法、海賊版対策など、コンテンツ産業を巡る課題について現場の視点から活発な意見が交わされた。

高市首相は、コンテンツ産業を日本成長戦略の17戦略分野の一つと位置付けており、10月の所信表明演説でも、コンテンツ産業を含むデジタル関連産業の海外展開を支援する方針を示している。今回の意見交換会は、その方針を具体化する一環として実施された。

また、この日の様子は首相官邸の公式発信でも紹介され、ヘヴィメタルのインストゥルメンタルをBGMに用いた演出が話題となった。高市首相は、神戸大学在学中にヘヴィメタルバンドでドラムを担当していたことでも知られている。

多彩なクリエイターが官邸に集う異例の意見交換会となり、コンテンツ産業を成長の原動力と位置付ける高市内閣の今後の政策展開に、業界内外から注目が集まっている。​