中国最新鋭空母「福建艦」と遼寧艦が青島で並び停泊 衛星画像で確認、合同演習の可能性

2025-12-24 16:41
中国人民解放軍が7日、最新空母「福建艦」の就役編入式典の映像を公開した。(中国中央テレビ〈CCTV〉ニュースより)
中国人民解放軍が7日、最新空母「福建艦」の就役編入式典の映像を公開した。(中国中央テレビ〈CCTV〉ニュースより)

中国SNSのWeibo(ウェイボー)でこのほど拡散した衛星画像により、中国海軍の最新鋭空母「福建艦」と、初の実戦配備空母「遼寧艦」が、山東省・青島の海軍基地で並んで停泊している様子が確認された。

これに先立ち、中国の海事当局は21日から渤海および黄海北部海域で、約1週間にわたる軍事演習を実施すると予告している。こうした動きを受け、英紙系の香港メディア『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は、二隻の空母による協同作戦演練が行われる可能性があると指摘している。

微博上流傳的中國雙航母停泊青島軍港照,引發媒體高度關注。(翻攝微博)
Weibo(ウェイボー)で拡散した、青島軍港に中国の空母2隻が並んで停泊する画像。各メディアが相次いで報じた。(Weibo(ウェイボー)より)

公開された衛星画像では、「福建艦」と「遼寧艦」が同一埠頭に並んで係留されており、偶然とは考えにくい配置となっている。さらに、二隻の合流直後に演習海域が設定された点からも、大規模な合同演習が差し迫っているとの見方が強まっている。軍事評論家の宋忠平氏は「一隻より二隻、しかも異なる能力を持つ空母同士であれば『一足す一が二以上』になる。技術面だけでなく、艦員同士の運用経験の共有が極めて重要だ」と述べている。

就役から13年が経過した遼寧艦は、中国の空母戦力の出発点とも言える存在で、艦隊運用や指揮統制に関する経験を蓄積してきた。一方、先月正式に就役した福建艦は、世界最大級の通常動力空母であり、中国初の電磁式カタパルト(EMALS)を搭載している。

ただし、この最新システムは実戦運用に向けた反復訓練と調整が不可欠であり、運用経験を積んだ遼寧艦が教官役を担う構図が想定されている。宋氏も「福建艦はまだ若く、遼寧艦の蓄積された知見から多くを吸収することになる」と分析している。

由美國衛星空拍的中國最新航空母艦「福建艦」停靠海南港口畫面。(美聯社)
米国の衛星画像で捉えられた、海南の港に停泊する中国の最新空母「福建艦」。(AP通信)

サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、中国は遠洋で持続的に行動できる海軍の構築を目指し、近年は実戦を想定した訓練を大幅に強化している。その戦略目標の一つが、米国が中国封じ込めの枠組みとして重視してきた「第一列島線」の突破だ。

福建艦が就役する以前にも、中国海軍は段階的に空母運用を拡大してきた。昨年10月には遼寧艦と山東艦が南シナ海で初の二空母合同演習を実施。さらに今年夏には、両艦の空母打撃群が第一列島線を越え、遼寧艦はグアム以東まで進出した。グアムは米国にとって太平洋地域の中枢的な軍事拠点であり、中国空母が第二列島線を越えたのはこれが初めてだった。

中国人民解放軍は、これらの演習について「西太平洋および周辺海域において、遠海防衛能力と統合作戦能力を検証している」と説明している。

中國最新航空母艦「福建艦」(右)在海南正式編列服役。(美聯社)
中国の最新空母「福建艦」(右)が海南で正式に就役し、編成に加わった。(AP通信)

技術系メディアの『Interesting Engineering』21日、福建艦と遼寧艦が近く合同訓練を実施する可能性が高いと指摘した。将来的に複数の空母打撃群を同時運用することを見据えた、いわば「事前演習」にあたるという。

想定される訓練内容は多岐にわたる。艦載機部隊による交差離着艦訓練をはじめ、スキージャンプ式甲板を採用する遼寧艦と、全通甲板に電磁カタパルトを備える福建艦という、異なる運用方式の比較と最適化。さらに、艦載機の出撃率向上、甲板上の安全手順の徹底、後方補給体制の確立、高強度作戦を持続するためのノウハウ共有、そして「二隻の空母を同時に指揮・調整する能力」の検証も含まれるとみられている。

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