台湾の気象専門家・呉徳榮(ウー・ダーロン)氏は11月7日、中央気象署(日本の気象庁に相当)の最新台風進路予測図を引用し、台風26号(フォンウォン)がフィリピン・ルソン島に上陸する前に勢力のピークを迎え、その後、台湾南西方の海域で北へ進路を変えながら徐々に弱まる見込みだと述べた。しかし、台湾に接近する過程で依然として暴風・豪雨をもたらす恐れがあるとして、全地域に厳重な警戒を呼びかけている。
台風26号(フォンウォン)の最新進路

中央気象署の観測:台風26号(フォンウォン)の中心位置と強度
中央気象署の最新観測によると、軽度台風26号(フォンウォン)は7日午前2時時点で鵝鑾鼻(ガランピ)東南東約2,270キロの海上にあり、時速21〜26キロで西北西〜西方向に進行中。
中心付近の最大風速は毎秒30メートル(風力11級)、最大瞬間風速は38メートル(風力13級)に達し、暴風域(7級風半径)は150キロに及ぶ。現在、中度台風への発達傾向を示しているという。
ECMWF(欧州中期予報センター)モデル:台湾海峡へ進入の可能性も
呉氏は、気象応用推進基金会のコラム「洩天機教室」で次のように分析した。欧州中期予報センター(ECMWF)による最新モデルでは、台風26号(フォンウォン)の平均進路がルソン島北部を通過し、その後台湾南西方の海域で北上、台湾海峡へ進入する可能性が高い。
ただし、個別のシミュレーション結果では、上陸・北上の過程でルソン島の地形による勢力減衰に加え、台湾山脈の水蒸気遮断と中緯度の乾燥空気の流入が重なり、強度は次第に弱まる見込み。予測進路も分散しており、今後の変化には不確実性が増しているとした。
GEFS(米国気象局)モデル:西南方向へ逸れる可能性も それでも油断禁物
一方、米国気象局(NOAA)のGEFSモデルでは、台風26号(フォンウォン)の勢力減衰は欧州モデルよりも速いと予測。下層の北東季節風の影響で台湾南西方向へ逸れる可能性もあるとしている。
それでも、中央気象署の最新予測では、ルソン島上陸前には強い台風クラスに発達し、台湾接近時も暴風雨を伴う恐れがあるため、呉氏は「油断は禁物」と強調した。
台湾の今週の天気:北東季節風が弱まり、晴れて暑い日が続く
呉氏によると、7〜9日は北東季節風が弱まり、全国的に水蒸気が減少。各地で晴れまたは晴れ時々曇りの天気が続く見通しだ。北海岸や東部地域では所により短時間のにわか雨があり、日中は暑く、夜間はやや涼しい。最高気温は30度を超える地点が多いと予測している。
台風26号(フォンウォン)外側の雨雲接近は10日以降 最も荒れるのは11〜12日
10日ごろから台風26号(フォンウォン)の外側の雨雲が台湾に接近。北部および東部地域で降雨の確率が上昇し、11〜12日が最も風雨の強い時期になる見込み。強風と豪雨による被害の恐れがあるため、屋外活動や海上作業は控えるよう注意が呼びかけられている。13日昼ごろからは台風の離脱・減衰に伴い、南部から順に天気が回復する見通し。
台風25号(カルマエギ)はベトナム通過後に急速に弱体化
呉氏はまた、別の台風「台風25号(カルマエギ)」についても触れた。同台風は7日未明にベトナム中部を通過後、西北西へ進行中で、水蒸気供給が絶たれたことで構造が崩壊し、急速に勢力を失っていると説明した。
編集:梅木奈実 (関連記事: 天気予報》台風26号(フォンウォン)発生、台湾に直撃の恐れ 来週10日以降が最危険期 | 関連記事をもっと読む )
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