トランプ大統領、来年4月に訪中発表、台湾外交に深刻な影響か 頼清徳総統は「米国に行けない」可能性も浮上

米中首脳会談終了後、トランプ大統領が来年4月に訪中すると発表。これにより、台湾の頼清徳総統(写真)が米国本土を訪れるのは困難になる可能性がある。(資料写真/柯承惠撮影)
米中首脳会談終了後、トランプ大統領が来年4月に訪中すると発表。これにより、台湾の頼清徳総統(写真)が米国本土を訪れるのは困難になる可能性がある。(資料写真/柯承惠撮影)
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アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席は10月30日、韓国・釜山で「米中首脳会談」を行い、約100分間にわたって非公開で協議した。会談後、トランプ氏は自ら来年4月に中国を訪問すると発表し、習主席もその後にアメリカを訪れる意向を示した。

この動きについて、元立法委員(国会議員)の郭正亮(クオ・チェンリャン)氏は、時事番組『大新聞大爆卦』で「(台湾の)頼清徳総統は気を失って倒れたかもしれない」と述べ、今回の発表が台湾にとって重大な意味を持つと指摘した。郭氏は、「これは頼清徳氏が来年4月まで米国本土に足を踏み入れることができない、いや今後の台湾総統も同様に行けなくなる可能性があることを意味する」と語った。

4月までは台湾を変数にしたくない

郭氏は、トランプ氏の訪中時期が来年4月に決まったということは、「それまで台湾を変数にしたくないという明確なメッセージ」だと説明。「頼清徳氏は来年5月20日で就任2年を迎えるが、それまでに一度も米国本土を訪れていない。これは史上初のことだ」と指摘した。

郭氏はさらに、「これまで歴代の台湾総統は就任初年度に必ず米国を訪れていたが、今回だけは異例だ」と強調した。

米国は頼清徳を「変数」にしない

郭氏によれば、頼清徳氏が駐美代表の俞大㵢(ユウ・ダイジ)氏や国家安全会議副秘書長の趙怡翔(チャオ・イーシャン)氏に不満を持っていても、状況は変わらないという。「とにかく来年4月までは、アメリカは頼清徳氏を『変数』にすることはない」と述べ、トランプ氏は中国との取引を優先しており、「台湾が中国を刺激するような行動を取ることを絶対に許さない」と分析した。

さらに郭氏は、「もし米中間で取引が成立すれば、台湾は今後ますます米国に行けなくなるかもしれない」と懸念を示した。

誰が総統でも米国に行けない時代に?

郭正亮氏ははっきりと述べた。頼清徳氏がこの4年間に米国を訪問することができない可能性があるだけでなく、「美中が取引を成立させた場合、誰も総統として訪米することができないかもしれない」と語った。そのためには、中国国民党の可能性がある大統領候補である韓国瑜氏や盧秀燕氏も同様である。たとえ彼らが両岸関係を改善したとしても、改善の結果米国を通過できるかどうかは不透明であり、中国が同意することも必ずしも保証されていない。

郭氏は最後に、「頼清徳氏だけでなく、この4年間は誰であっても米国に行けなくなる可能性がある」と述べた。「仮に国民党の韓国瑜(ハン・グオユー)氏や盧秀燕(ルー・ショウエン)氏が次期総統候補となっても、たとえ彼らが中台関係を改善しても、だからといって米国に『経由入国』できるとは限らない。中国がそれを認めるとは限らないからだ」と語った。

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