「13日の金曜日(Friday the 13th)」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは「不運の日」ではないだろうか。この迷信は欧米文化に深く根付いており、アメリカでは2025年に1度だけ、まさに本日が「13日の金曜日」に当たるとメディアも報じている。
「13日の金曜日」は長年にわたり西洋文化において「不吉な日」として知られ、ホラー映画の題材にもたびたび登場してきた。宗教や地域によって意味合いは異なるものの、その影響力は強く、英語では「13日の金曜日恐怖症(paraskevidekatriaphobia)」という専門用語まで存在する。
Why is Friday the 13th considered bad luck? The legend, the superstitions, the free donutshttps://t.co/VSSzhiUGeP
— Daytona Beach News-Journal (@dbnewsjournal)June 12, 2025
一部では恐怖の日、他方では買い物のチャンス
「13日の金曜日」に強い不安を感じる人々は、家から出ることを避け、黒猫やはしご、鏡を避け、飛行機の搭乗や投資、結婚などのリスクを伴う行動を控える傾向がある。一方、多くの人にとっては通常の金曜日であり、むしろ商業施設のセールなどを楽しみにする日でもある。
米国ではこの日を利用してプロモーションを行う店舗もあり、ドーナツチェーン「クリスピー・クリーム」は、13セントでオリジナル・グレーズド12個セットを販売する特別キャンペーンを実施している。

なぜ「13日の金曜日」は不吉とされるのか?
歴史的に見ても、「13日の金曜日」が不吉であるという明確な起源は確認されていない。多くの歴史学者は、この迷信は「13」という数字と「金曜日」という曜日、2つの独立した迷信が組み合わさって形成されたと考えている。
数字「13」の不吉なイメージ
History.comによれば、13という数字は長年にわたり欧米社会で不吉とされてきた。西洋文化において、「12」は完全性を象徴する数字とされる。1年の月数、星座、ヘラクレスの12の功業、オリンポスの12神、イスラエルの12部族などがその例だ。一方で「13」は不完全とされ、避けられる傾向にある。
北欧神話では、悪戯の神ロキが13番目の客として神々の宴に現れ、盲目の神ホズルを欺いて、喜びの神バルドルを殺害させた。この事件が、世界に苦しみをもたらしたとされる。 (関連記事: 「なぜ自分だけが…」241人死亡の墜落事故、生き残ったたった1人の男性の証言 | 関連記事をもっと読む )

「金曜日」の宗教的イメージ
一方、金曜日も特に伝統的なキリスト教文化内では負の意味を持つ。キリスト教では、イエス・キリストが金曜日に十字架にかけられたとされ、この曜日にも否定的な意味がある。また、アダムとイヴの神話では、イヴがアダムに禁断の果実を与えたのも金曜日だとされ、彼らの息子カインが弟アベルを殺害した日も金曜日だと伝えられている。