台湾・頼清徳総統はどんなリーダー?最新世論調査で見えた「7つの総統資質」

2025-06-17 15:06
台湾民意基金会が最新の調査を発表し、台湾市民が大統領頼清徳の「7つの大統領特質」をどのように見ているかを示す。(写真/柯承惠撮影)
台湾民意基金会が最新の調査を発表し、台湾市民が大統領頼清徳の「7つの大統領特質」をどのように見ているかを示す。(写真/柯承惠撮影)
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総統の性格と人格特質の研究は現代政治学において重要な一環である。台湾民意基金会は「台湾人の視点から見た頼清徳総統」というテーマで最新の世論調査を発表し、頼清徳総統の「7つの総統特質」について台湾の人々がどのように評価しているかを調査、2018年の前総統蔡英文の調査と比較した。

台湾民意基金会の董事長、游盈隆氏は7つの特質のうち、頼清徳氏は3つの特質で過半数の支持を得たと述べた。しかし「政党協力を促進できる」という特質は最も評価が低く、5割5分の人が支持していない。次いで「適材適所の人材登用」が続いた。蔡英文氏と頼清徳氏の特質には大きな違いがあることも明らかになった。

一、一般市民のニーズに関心を持っているか?

調査は「彼が一般市民のニーズに関心を持っている。あなたはこの意見に同意しますか?」と尋ね、結果は19.2%が非常に同意し、31%がやや同意、19.7%があまり同意しない、25.1%が全く同意しない、1.7%が分からない、3.2%が知らないと答えた。游氏は50%が基本的に同意し、45%が反対であると分析し、多くの国民は頼清徳氏を親しみのある総統と見ているが、4割5分の人はそう考えていないことを示した。

游氏は、蔡英文氏と比べて、頼清徳氏は国民の視点から明らかに異なる総統であると述べた。2018年9月には43%の国民が蔡英文氏が一般人のニーズに関心を持っていると考えていたが、52%がその意見に同意しなかった。過半数の国民が蔡氏は一般人に関心がないと見ていたのに対し、頼氏に対する見方とは対照的だった

台湾民意基金会は「頼清徳が一般市民のニーズに関心を持っている」と尋ねた(台湾民意基金会提供)
台湾民意基金会は「頼清徳が一般市民のニーズに関心があるか」を調査。(台湾民意基金会提供)

二、国家利益を個人利益より優先できるか?

調査は「彼が国家利益を個人利益より優先する人だと思いますか?」と尋ね、結果は21.3%が非常に同意し、27%がやや同意した。21%があまり同意せず、22.8%が全く同意しない。3.7%が分からない、4.2%が知らないと答えた。つまり、48%が基本的に同意し、44%が同意しなかった。この結果は、台湾の多数の人々が頼清徳氏を公私の区別をきちんとし、国家利益を優先する人物と見ているが、かなりの割合の44%がそうは見ていないことを示した。

游氏は、多くの台湾人が彼を大公無私と信じているが、疑いを持つ人々も少なくないと述べた。また、蔡英文氏と比較して、頼氏の社会的評価がやや良い。2018年9月には46%が蔡氏が国家利益を優先する人だと見たが、同数がそれに同意していない。この部分で頼清徳氏は4%上回っている。しかし依然として改善の余地は大きいと指摘された。 (関連記事: 台湾民意基金会世論調査》国民党議員リコール、反対が急増 最新世論調査で70万人が反対に転向 関連記事をもっと読む

台湾民意基金会は「頼清徳は国家利益を個人利益より優先する人」と尋ねた(台湾民意基金会提供)
台湾民意基金会は「頼清徳は国家利益を個人利益より優先する人か」を調査。(台湾民意基金会提供)

三、彼は誠実で正直な人物か?

調査は「彼が誠実で正直な人物だとあなたは思いますか?」と尋ね、結果は23.5%が非常に同意し、28.7%がやや同意した。18.2%があまり同意せず、23.7%が全く同意しなかった。2.7%が分からない、3.1%が知らないと答えた。52%が基本的に同意し、42%が不同意。同意者が10ポイント上回った。この結果は、明らかに過半数の台湾人が頼清徳氏を誠実で正直と見る一方、42%が疑問を持っていることを示した。

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