台湾・台北市で16日夜、電動バスが走行中に爆発し炎上する事故が発生した。事故が起きたのは、大都会客運が運行する262系統のEVバスで、午後8時40分ごろ、同市の敦化北路を走行中にバッテリー異常を示す警告灯が点灯。運転手がすぐに路肩へ停車し、乗客7人を避難させた直後に車両が爆発し、激しく燃え上がった。けが人はいなかった。
該当車両は同日午後に点検・整備を受けたばかりで、再び運行を再開した直後の出来事だったという。製造元の華徳動能(RAC)によると、搭載されていたバッテリーは日本のAESC社製で、これまでに火災や爆発の事例はなく、欧州の安全規格「ECE-R100-2」の認証も取得済み。システムには複数の保護機構が備えられているという。
華徳動能は、事故発生後1時間以内に緊急対応チームを設置し、消防当局と連携して出火原因の調査を進めていると説明している。なお、当該車両に使用されていた三元系リチウム電池は昨年に生産を終了しており、現在はすべての新型車両において安全性の高いリン酸鉄リチウム(LFP)電池への切り替えが完了している。LFP電池は最新の「ECE-R100-3」規格に準拠し、すべての製品には製品責任保険が付帯されているという。
この事故を受け、台北市の公共運輸処は17日、市内を走行する全858台の電動バスについて、3日以内に緊急点検を行うよう通達した。市によれば、台北市内でEVバスが炎上するのは今回が初めて。同型の車両114台については既に点検が進められており、うち2台で異常が確認され運行停止となっている。
同型のEVバスは、新北市に56台、台南市に38台、高雄市に3台が導入されており、各自治体でも独自の点検を進めている。台北市は、交通への影響を最小限に抑えるためにディーゼルバスを代替として投入し、ダイヤには支障が出ていないと説明している。
編集:梅木奈実 (関連記事: 台湾・新北市の安坑ライトレールが世界に輝く 生活美学の象徴として国際建設賞受賞 | 関連記事をもっと読む )
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