中国の現役航空母艦「遼寧」と「山東」が現在同時に太平洋上に展開しており、近隣の日本は警戒を緩めることができず、自衛隊は数日間にわたって両艦の動きを注視している。
防衛省統合幕僚監部は17日、自衛隊の監視によれば、今月8日から16日の間に両艦に搭載された戦闘機やヘリコプターによる離着艦が合計約520回に達したと発表した。防衛省は、このような高頻度の運用は中国が海軍の遠洋作戦能力を強化している表れであり、今後も厳重に監視を続ける方針だとしている。
6月8日から16日にかけて、中国海軍のクズネツォフ級空母「遼寧」および「山東」を含む複数の艦艇が、太平洋の海域を航行しているのを確認した。両空母からの艦載戦闘機などの発着艦も確認している。防衛省・自衛隊は、引き続き警戒監視と情報収集を実施する。…pic.twitter.com/itucRYM4Ov
— 防衛省統合幕僚監部 (@jointstaffpa)June 17, 2025
「遼寧」については、8日から硫黄島の南東約650キロの海域に入り、自衛隊の観察によれば、艦載機の離着艦は累計290回にのぼった。一方、「山東」は9日より東京都管轄の沖ノ鳥島周辺海域に展開し、同様に230回の離着艦を実施した。
中国人民解放軍が2隻の空母を同時に近海に配備した状況に対し、日本の自衛隊はP-3C哨戒機を複数回派遣。あるタイミングでは、P-3Cと「山東」に搭載されたJ-15戦闘機が異常接近し、衝突の危険もあったという。この事態を受けて、日本政府は北京に対して正式に抗議を行った。

日本防衛省が、中国人民解放軍の航空母艦「遼寧」と「山東」2隻の動向を監視。(防衛省統合幕僚監部より)
防衛省にとっては、これら現役空母の動向監視にとどまらず、進水から3年が経過し、いつ正式に就役してもおかしくないとされる最新空母「福建」の動向についても、引き続き注視が必要とされている。
編集:田中佳奈
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