大分県・国東半島沖で新たな活断層を発見 M7超の地震に警戒 南海トラフの発生確率も80%に上昇

2025-06-19 16:49
日本で新たに発見された活断層。(イメージ写真/Unsplash)
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『7月5日大災害説』は否定されているものの、南海トラフ地震への関心が改めて高まっている。こうした中、国立研究機関「産業技術総合研究所」は、大分県・国東半島沿岸で新たな活断層を確認したと発表。マグニチュード7以上の強い地震を引き起こす可能性があるとして、防災の見直しが求められている。

新たな活動断層「規模7の強震の恐れ」

産業技術総合研究所は最近、大分県国東(くにさき)半島沿岸に新たな活動断層を確認したと発表した。断層は長さ60〜70キロにわたって直線的に分布し、主に横ずれ型であることから、大規模な津波を引き起こす可能性は低いものの、「マグニチュード7以上の強い地震が発生するおそれがある」と専門家は警鐘を鳴らしている。

この新断層は現在、防災対策の観点から想定震源域としての位置付けが進められており、今後の地震被害想定にも反映される見通しだ。会見した吉見雅行・地震災害対策会議長は「断層の活性化次第では深刻な影響を及ぼす可能性がある」として、より現実に即した防災計画への見直しを訴えた。

南海トラフ地震、発生確率は80%に上昇

一方、南海トラフ巨大地震に関する最新の想定では、今後30年以内に発生する確率が2013年の70%から、現在では80%にまで上昇していることが気象庁により明らかにされた。大分県の過去の被害想定によると、南海トラフ地震が発生した場合、県内の死者数は最大で約1万8000人に達する恐れがある。今回発見された断層の影響も加味し、新たな災害評価が求められている。

北海道沖でM6.1の地震 津波への警戒も

こうしたなか、6月19日午前8時8分ごろには、北海道東部・根室半島東方沖でマグニチュード6.1の地震が発生。震源の深さはごく浅く、今後の津波発生にも警戒が必要とされている。

高知大学の岡村真・名誉教授は「千島海溝周辺でも大地震による津波が発生する可能性がある」と指摘しており、北海道太平洋側の住民には、改めて防災意識を高めるよう呼びかけている。

地震リスクへの備えを強化する時

今回の一連の動きにより、日本各地で複数の地震リスクが同時に浮き彫りとなった。新たに発見された断層、南海トラフの切迫性、北海道沖での有感地震──いずれも、防災の再確認と計画の精緻化を急ぐべきタイミングであることを物語っている。

国の研究機関や自治体は今後、調査の精度を高めると同時に、市民が理解しやすい形でリスクを共有し、地域に根ざした備えの実践を促していく必要がある。

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