馬英九、「兩岸平和民主統一」を主張
馬英九前総統は現在、代表団を率いて中国大陸を訪問中である。本日、「両岸共同による中華文化の発揚」イベントに出席し、挨拶の中で「私の主張は、両岸が平和的かつ民主的に統一することだ」と述べた。
馬氏は「平和」とは「武力またはその威嚇を用いないこと」であり、「民主」とは「台湾の人々の意思を尊重すること」であると説明した。また、今回の発言について「同僚が用意した原稿には完全には従わず、少々アドリブとなった。不適切な点があればご指摘願いたい」と語った。

同じく登壇した中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の宋濤主任は、「台湾の将来と運命は、両岸すべての中国人が決めるべきだ」と強調し、馬氏の「台湾人民の意思を尊重すべき」との発言とは一線を画す姿勢を示したように見える。
馬英九氏は6月14日から27日までの間、第4回目となる中国大陸訪問を行い、廈門や敦煌を訪れ、海峡フォーラムや伏羲公祭などの行事に出席した。
本日行われた「両岸共同による中華文化の発揚」イベントは、馬英九基金会および敦煌研究院の共催によるもので、会場は敦煌研究院であった。出席者には、国務院台湾事務弁公室(国台弁)の宋濤主任、敦煌研究院名誉院長の樊錦詩氏、同研究院党委書記の程亮氏、院長の蘇伯民氏、中国共産党甘粛省委員会の胡昌升書記、馬英九基金会の蕭旭岑執行長、政治大学名誉教授の邱坤玄氏などが名を連ね、会場にはおよそ180人以上が集まった。
関係者によれば、馬英九氏が「統一」に言及したのは今回が初めてではない。馬氏は2018年に発表した『八年執政回憶録』の中で、「新三不」として「統一を排除せず、独立せず、武力を用いず」という立場を明確にしていた。
馬英九氏は今回の挨拶で、自身は湖南省出身ながら香港で生まれたことを語った。姉が3人、妹が1人おり、上の3人は中国大陸で生まれた。馬氏自身は家族が戦火を逃れて香港に移った後に生まれ、末の妹は台湾で誕生したという。「5人きょうだい全員が、まさに避難の歴史の中で人生を歩んできた」と述懐した。
また、馬氏は自身の故郷が湖南省湘潭であり、かつての中国共産党指導者・毛沢東と同郷であること、母親は同じく湖南省の寧郷出身で、副主席を務めた劉少奇の同郷でもあると紹介し、「非常に深いつながりがある」と語った。さらに、「この数年、両岸関係の推進に努めてきたことをうれしく思う。人々が互いに接する機会を持てたことは意義深い」と述べた。
馬英九氏は続けて、「私の主張は、両岸が平和的かつ民主的に統一することだ」と述べ、会場からは大きな拍手が湧き起こった。馬氏はすぐに補足し、「平和とは、武力あるいはその威嚇を用いないことであり、民主とは台湾の人々の意思を尊重することである」と説明した。
その後、馬氏は準備された原稿には従わなかったことを率直に明かし、「不適切な点があれば、どうかご指摘いただきたい」と述べた。
編集:柄澤南 (関連記事: 「両岸は互いに隷属しない」賴清徳総統が緩和メッセージを修正?副総統の「現状維持」と「憲法擁護」発言との温度差が波紋 | 関連記事をもっと読む )
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp