日本の自由民主党所属の小林鷹之衆議院議員は6月25日、台湾国防部の顧立雄(こ・りつゆう)部長を台北市の博愛営区に表敬訪問し、インド太平洋戦略、安全保障、日台関係などの重要課題について意見を交わした。顧部長は「権威主義の拡張やグレーゾーン事態、非伝統的安全保障上の脅威がインド太平洋地域を取り巻く中で、自由と民主主義という価値を共有する日台は、国際秩序と地域の平和・安定を守るため、協力を一層強化すべきだ」と述べた。
この訪問には台湾側から国防部・外交部の関係者が同席した。顧部長は、小林議員が「日本国会議員対台湾友好連盟」のメンバーとして長年にわたり台湾への支援を続けていることに言及。特に、世界保健機関(WHO)および世界保健総会(WHA)への台湾の参加を国会で繰り返し主張してきたことや、「台湾有事は日本有事」との認識を示してきた姿勢を高く評価した。

また顧部長は、小林議員が2018年の花蓮地震の際、自ら義援金を届けたことに触れ、「深い人道的配慮と台湾への友情の表れである」と感謝の意を示した。加えて、小林氏が日本政府の初代「経済安全保障担当大臣」を務めた際には、日台間の科学技術協力を強化し、半導体サプライチェーンの強靱性向上に新たな基準を打ち立てたことも紹介した。
現在のインド太平洋地域について、顧部長は「台湾は信頼される安定的な民主パートナーとして、今後もこの地域における重要な存在であり続ける」と強調。そのうえで「日台は自由と民主主義を共に掲げるパートナーとして、より深い交流と協力を通じ、国際秩序と地域の平和と安定の維持に努めていくべきだ」と述べた。
これに対し、小林議員は「台湾海峡の平和と安定は、日本の国益にも深く関わっている。日本と台湾は厚い友情で結ばれており、両国民の心は通じ合っている。今後も台湾との協力をさらに深め、共に地域の平和を守っていきたい」と語った。
編集:梅木奈実 (関連記事: 「台湾を孤立させない」 小林鷹之氏が訪台、賴清徳総統の言葉に強く共鳴 | 関連記事をもっと読む )
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