台湾・台中市海沿いの観光スポットは、8月下旬に開業を予定している「台中海洋館」のオープンに向けて準備が進められている。市政府観光旅遊局は27日、「海洋路」の名称披露式を開催した。黄崇典秘書長は、この北堤路と環港北路を結ぶ道路が海洋館へと続く「最後の一マイル」であり、台中港エリアの交通および産業の高度化における重要な拠点であると説明した。
「海洋路」は全国で唯一、海洋を冠した名称を持つ道路であり、台中市の約50キロメートルに及ぶ海岸線の中心、清水区と梧棲区の境界に位置している。その地理的・文化的な意味合いから、海線地域の観光統合と発展における新たな節目を象徴している。
黄秘書長によれば、市政府は2023年度に約1,000万元を投じて、全長約1,100メートル、幅約15メートルの「海洋路」の整備を実施。梧棲漁港と主要幹線道路をつなぎ、観光交通ネットワークの強化を図ったという。今回の整備には、港務公司、航港局、梧棲漁会などの協力もあり、道路舗装、標識設置、照明整備などが完了している。「海洋路」という名称には地域住民の思いと文化的特色が込められており、現在すでに3路線の市内バスが通過している。今後は海洋館の運営状況に応じて路線の拡充を検討し、市民や観光客の利便性向上を目指すとしている。
黄崇典秘書長は自身が「海沿いの出身者」であることを強調し、地域への深い愛着を語った。そのうえで、台中海洋館と周辺インフラとの相乗効果によって海沿い地域の繁栄を促し、市民や各地からの観光客に沿岸生活の魅力を体感してもらいたいと述べた。
台中海洋館は、多様な海洋生物の展示に加え、大安渓・大甲渓・烏渓の三大河川の生態的特徴を取り入れた展示内容となっており、教育と観光の両面を兼ね備えた新たな拠点として期待されている。現在は水質調整や館内の設えが進められており、開館に向けて万全の準備が進行中である。「海洋路」は単なる交通インフラとしてだけでなく、今後は湿地、老街、歴史文化スポット、宿泊施設と連携し、観光全体の活性化に寄与する役割も担う見込みである。
台中市議会の張清照議長は、台中海洋館が十数年の努力を経てようやく整備が進んだことに触れ、盧秀燕市長および市政府の尽力に感謝を表明。関連施設の完成後には速やかに一般公開し、海沿い地域のさらなる発展につなげてほしいと述べた。また、「海洋路」は北堤路から環港北路に至る海洋館の主要なアクセス道路として象徴的かつふさわしい命名であると評価した。
同じく市議会の顏莉敏副議長も、台中海線地域が豊かな自然と人文資源に恵まれていることを指摘し、「海洋路」の誕生が沿岸観光軸の結節点となることに期待を寄せた。地域の代表として、海洋館の早期開館を心から願っているとし、市民の海洋への理解を深め、持続可能な理念を実現する場として、さらには海沿いの観光スポットとして周辺地域の発展を牽引する役割を果たすことを強調した。
台中市観光旅遊局の陳美秀局長は、台中の海沿い地域について、海洋景観、歴史文化、ショッピングやレジャーなど多様な魅力が集約されたエリアであると説明した。今年5月には観光路線バス「台湾好行679台中活力海洋線」の運行が開始され、梧棲漁港、高美湿地、梧棲文化出張所、三井アウトレットパーク、大甲鎮瀾宮といった人気観光地を結ぶルートとして注目されている。
また、市政府は市内バスの路線強化にも取り組んでおり、路線番号309および688のバスが新たに台中海洋館に停車することで、観光施設へのアクセスをさらに向上させている。これにより周辺エリアの観光活性化が期待されている。編集:柄澤南 (関連記事: 20年の待ちを経て遂に実現 「ゴールデンクロス」台中メトロブルーライン工事開始 | 関連記事をもっと読む )
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