Metaが「AIドリームチーム」結成 OpenAIから幹部引き抜き、次の主戦場へ650億ドル投資

2025-06-30 12:12
Metaは最近、Scale AIに143億ドルの資金を投入し、約半数の株式を取得。この動きは、AI領域で最も重要な課題である「高品質のトレーニングデータ不足」を解決することを目的としている。(写真/Jason McELweenie@flickr)
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Meta(元Facebook)は2025年を目指し最大規模の戦略を展開し、AI(人工知能)の全体的な配置を刷新している。これは、データ企業に多額の資金を投入するだけでなく、OpenAIやPerplexityなどのAI企業に対する人材引き抜き計画を全面的に実施し、自社のAIパフォーマンスの改善を図るものだ。

なぜMetaは多額の資金をデータプラットフォームに投資するのか?

Metaは最近、Scale AIに143億ドルを投資し、約半数の株式を取得。この目的は、AI分野で最も重要な問題である高品質のトレーニングデータの不足を解決することだ。この動きは、Llama 4モデルの弱点を補強し、その実際の応用でのパフォーマンスを向上させる意図がある。

Scale AIはケニア・フィリピン・ベネズエラなどの専門的なデータラベリングチームを通じ、多言語・多モーダルのデータラベリングと審査能力を提供。Metaが言語モデルの最適化を加速させるのに役立っている。

投資完了後、MetaはScale AIのリソースを優先的に使用する権利を獲得。その結果、Google・OpenAI・xAIなどの大手企業は協力計画を急遽撤回し、他のラベリングサービス企業が恩恵を受ける形となった。

Metaは2025年のより厳しい反トラスト審査をどのように避けるのか?

この投資は「持分取得ではなく買収」を採用し、Scale AIの独立運営を維持する形をとっているが、実際にはMetaが運営をコントロールしている。これは、MicrosoftやAmazonがAIスタートアップに出資する手法と同様で、巧みに規制リスクを回避している。

OpenAI本社の急襲?Metaはどのようにして独自のAIスター・チームを築くのか?

Metaは2025年に、以前にOpenAIやGoogle DeepMindで働いていた著名な学者3人、Lucas Beyer・Alexander Kolesnikov・翟晓华のスカウトに成功。彼らはマルチモーダルデータ・オープンウェイト構造・視覚学習に焦点を当てており、AI分野の中核的な力を持っている。

さらに、MetaはChatGPTの生みの親であるIlya Sutskeverや共同創設者のJohn Schulmanに高給を提示して引き抜こうとしたが、これは成功しなかったものの、ザッカーバーグがトップ人材にこだわっていることを反映している。

誰がMetaの2025年における最も重要なAIラボを率いるのか?

Scale AIの株式買収とともに、その創業者であるAlexandr Wangが正式にMetaに加わり、新たに設立された「スーパーインテリジェンス」ラボを主導し、次世代のAI製品の開発を担っている。これにより、LlamaとMeta AIアシスタントの競争力が向上することとなる。

同時に、Metaは元GitHub CEOのNat FriedmanとAI起業家のDaniel Grossも積極的に招き入れ、Wangチームへの参加が期待され、Metaに技術と資本の両面から強力な支援をもたらすと見られる。

Metaは本当に音声AIを狙っているのか?PlayAIがターゲットか

Bloombergの報道によると、Metaは現在、音声AIスタートアップであるPlayAIの買収交渉を積極的に進めている。この会社は音声生成・音声代理・TTSモデルなどの技術に特化し、高精度な音声を多言語で生成できることを強調する。取引はまだ明確になっていませんが、Metaの音声技術に対する野心が窺えます。

2025年におけるMetaのAIの世界はどのようなものになるのか?

ザッカーバーグの最終目標は、ソーシャルインタラクション・広告生成・企業アプリケーションを包含するAIエコシステムを構築することだ。Metaの今年の資本支出は650億ドルに達すると予測されており、ほぼすべてがAIに賭けられている。この賭けは、Metaが2025年に再びテクノロジーの舞台に立つかどうかを決定するだろう。

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