仙台と台湾・台南、友好都市20周年で交流拡大 七夕祭りから始まった「二つの第一」の絆

2025-06-30 13:31
黄偉哲市長が仙台市の市章と「20周年」の文字が印刷された蘭の花を郡和子市長に贈呈し、両市の友情の永続を願った。(画像/台南市政府提供)
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仙台市と台湾・台南市は七夕祭りをきっかけに縁を結び、2006年1月に友好都市協定を締結した。仙台市は、台南市にとって日本で初めての友好都市であり、両市の交流は非常に密接である。まもなく締結20周年を迎えるにあたり、仙台市は記念事業の一環としてさまざまなイベントを企画し、台南市を招待した。仙台市民に対し、台南市や両市の長年にわたる友好関係をより深く知ってもらうことが目的である。

台南市の黄偉哲市長も招かれ、29日午前に仙台市の郡和子市長とともに記念式典を主宰した。黄市長は、仙台市の市章と「20周年」の文字があしらわれた蘭の花の鉢植えを贈呈し、両市の友情が今後も末永く続くことを願った。

記念式典では、黄市長が日本語で挨拶を行い、会場に集まった190名の来賓から笑みがこぼれた。黄市長は「台南は台湾最初の都市であり、仙台は台南にとって初の日本の友好都市、いわば“二つの第一”である」と述べたうえで、協定締結以来、祝賀の場ではともに喜びを分かち合い、震災や感染症の際には互いに支え合ってきたと強調。今後もこの友好関係を次世代へと継承していきたいと語った。

黄偉哲市長は、会場の出席者に対し、台南が台湾の文化古都であり、美食の都であることを熱心に紹介した。春にはパイナップル、夏はマンゴー、秋には文旦、冬には蜜棗(ミツナツメ)と、四季折々の旬の果物が楽しめることを挙げ、仙台市民にも来月から運航予定のタイガーエアによる仙台-高雄直行便を利用して、ぜひ台南を訪れてほしいと呼びかけた。古跡の美しさや地元の特産品、美食を満喫し、この航空路線が両市の変わらぬ友情のように安定して続くことを願った。

また黄市長は、「20年という節目は大きなマイルストーンである」と述べ、郡和子市長をはじめ、仙台市政府、仙台市議会、さらには多くの市民団体に深い感謝の意を表した。今後も「兄弟のように、友人のように」両市の友情が末永く続くことを強く願っていると語った。

日本大地震時に台南が仙台に温かい支援を行い、仙台市民は今もその恩を心に刻んでいる

仙台市の郡和子市長は、両市がともに友好都市締結20周年を迎えられたことを心から喜び、これまでの交流を振り返った。とりわけ、東日本大震災の際に台南から寄せられた温かい支援に触れ、「仙台市民は今も深く感謝し、その恩を忘れていない」と述べた。

今回、締結20周年を記念する台南展が仙台市中心部で開催されることについて、郡市長は「より多くの市民に台南の観光資源や特産品、美食の魅力を知ってもらう良い機会になる」と期待を寄せた。また、台南の良質な農産物を高く評価し、「最近では仙台市内の小学校の給食に台南産パイナップルが提供され、生徒たちから『とても美味しかった』との声が多く寄せられた」と語った。

仙台市は、台南市との友好都市締結20周年を記念し、多彩なイベントを企画した。観光分野では、台南市観光旅遊局と連携し、観光ブースを設置して市民と交流を図るほか、観光セミナーとDIY体験を組み合わせたプログラムや、美食交流イベントにおいて台南料理の紹介も行われた。

また、黄偉哲市長は、台南市旅行商業同業公会の蔡承鴻理事長と、仙台観光国際協会の結城由樹理事長が観光交流に関する覚書(MOU)を締結する場にも立ち会った。今後、両団体は観光プロモーションや食と旅の魅力発信、さらには持続可能な観光の推進に向けて連携を深める方針である。