トランプ氏、対中関税緩和の翌日にEU非難 「中国より悪い。米国に極めて不公平」

アメリカ大統領トランプ氏。(AP通信)

米ホワイトハウスが「米中ジュネーブ貿易協議に関する共同声明」を発表し、激化していた米中貿易戦争はひとまず緩和された。しかし、アメリカのドナルド・トランプ大統領は12日、今度は欧州を批判の的にした。トランプ氏は「EUは多くの面で中国よりもひどい。わかるか?」「彼らはいずれ大きく譲歩する。見ていればいい。我々はすべてのカードを握っている。彼らは我々に非常に不公平な扱いをしている」と述べた。

欧州側はトランプ政権による輸入品への追加関税を撤回させるべく、米国との交渉を試みてきたものの、今のところ目立った進展はない。米政治専門メディア『Politico』は、トランプ氏による今回のEU批判は、先週の欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長への称賛とは対照的だと指摘する。トランプ氏は当時、彼女を「非常に優秀」と賞賛し、早期の会談を望むと述べていた。

しかし、会談の日程はいまだに決まっておらず、フォン・デア・ライエン氏は先週、「具体的な貿易提案があってこそ、米大統領と会う」と明言していた。

現在、トランプ政権は欧州に対して10%の基礎関税を課しており、自動車および金属製品にはさらに25%の追加関税を課している。さらに、半導体を含む複数品目についても追加関税の準備を進めており、「不公平な貿易の是正」「貿易赤字の解消」「グローバリゼーションによって流出した製造業の国内回帰」を目指しているとされる。

これに対し、ブリュッセルは先週、規制緩和や中国の過剰生産能力を抑えるための協力など、一連の譲歩案を提示した。しかし、交渉が行き詰まった場合には、950億ユーロ相当の米国製品に追加関税を課すと欧州側は警告している。トランプ政権で関税政策を主導してきたピーター・ナヴァロ氏は、EUの報復措置を「挑発的だ」と非難した。

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