2万人リストラだけではない!日産、年間赤字は1380億円に、7つの工場閉鎖で支出節約を検討

日産自動車の横浜本社外観。(AP通信)

日産自動車は、13日の記者会見で、現職のCEOであるエスピノサ(Ivan Espinosa)が、深刻な赤字を抱える同社を立て直すため、今後の再編計画の一環として、17の既存工場を10に削減することで、運営コストの支出を節約する方針を発表した。

『日経アジア』報道によると、13日に発表された日産の財務報告書で、2023会計年度(今年3月まで)の純損失が6700億円に達し、史上最大規模の赤字の一つとなった。しかし、この高額な損失額は、4月に予測された損失金額7000〜7500億円を下回り、経営陣にとっては多少安堵材料となっている。年間営業利益は698億円で、前年より88%減少し、同社は利益を上げていないため、今年は配当を行わない予定。

エスピノサCEOは記者会見で、世界規模で2万人の職を削減する次の再編計画を発表した。これは従業員総数の15%に相当する。この大規模な人員削減は、1999年の日産の財政危機時の再建計画と類似しており、当時の2.1万人削減と数か所の日本国内工場の閉鎖が行われた。同時に工場生産ラインの統合も進め、約7つの工場を閉鎖し、アルゼンチンの生産をブラジルに移転する。

この財務報告は日産にとって一つの警鐘であり、前年の純利益4266億円と比べ、今回は大きく赤字に転じた。主な要因は、アメリカや中国などの主要市場での低迷販売、および北米、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、日本の資産再評価で発生した減損損失である。再編を急ぐ日産は、現状のグローバル関税環境が依然として不確定なため、今年の営業利益、純利益、キャッシュフローの予測を行っていないと声明で表明している。

日產汽車現任執行長艾斯皮諾薩(Ivan Espinosa)。(美聯社)
日産自動車CEOのエスピノサ氏。(AP通信)

新たに就任したCEOの目には、販売が振るわない中で、この老舗企業の最大の問題は、既存のコスト構造が過大であり、利益が上がらない際に非常に大きなコスト支出に直面することである。日産は、固定費を削減するため、2027年3月までに少なくとも5000億円の支出削減を目指している。具体的な方策として、工場の再編があり、部品設計の簡素化、サプライチェーンの再編、および中国で生産された製品を他国に輸出することを検討している。

市場の低迷に加え、長年アメリカや北米市場に依存してきた日産は、トランプ大統領の輸入関税引き上げの圧力に直面している。米国以外で生産された車に対する25%の関税政策が行われており、これが解除されない限り、日産の財務状況が一層悪化する可能性がある。同社の試算によれば、日本やメキシコからの輸入車が課税されるため、2024会計年度には4500億円の負の影響を受ける見込みである。日産は、米国での生産基地の拡大を始め、地元製造車の購入を奨励するプロモーションを展開して、影響を軽減する計画を立てている。


日產汽車(Nissan)位於橫濱總部外。(美聯社)
​日産自動車の横浜本社外観。(AP通信)

前社長の内田誠(Makoto Uchida)の在任中に、本田(Honda Motor)との合併計画は終了したが、エスピノサは、現在の日産はどのような制約も設けずに、さまざまな力と協力を進める用意があると強調している。特に、関税の脅威に直面している現状において、エスピノサはメディアに対して、「私たちはアメリカ市場で本田との協力の機会を積極的に模索しています。日産企業価値を向上させるために、多方面との協力に対してオープンな態度を持っています」と述べている。

編集:佐野華美