トランプ歓喜!中東訪問で大口契約成立:UAEは一挙に14億ドル越え購入、チヌークヘリ・F-16部品

アラブ首長国連邦空軍現役F-16戦闘機。(米軍DVIDSシステムより)

アメリカ国務省は先日、アラブ首長国連邦への14億ドルを超える軍備品販売契約を事前に承認したと発表した。この契約には、CH-47F「チヌーク」(Chinook)ヘリコプターと各種F-16戦闘機の部品が含まれており、アメリカのトランプ大統領の中東訪問が再び実りを得ることになった。国務省の最新の声明によれば、この軍備品販売には6機、総額13.2億ドルのチヌークヘリコプターと1.3億ドルのF-16戦闘機部品が含まれている。

アラブ首長国連邦が今回発注した6機のチヌークヘリコプターは、すべて空中給油プローブおよび延長航続タンクを装備し、遠隔任務を遂行可能にする。これは広大な砂漠地帯を有する中東国にとって非常に重要であり、資金力のあるアラブ首長国連邦は、さらに各ヘリコプターに12基のエンジンおよび4基の予備エンジンを追加購入した。これにより、より長い飛行時間およびヘリコプターの運搬能力が強化され、チヌークは大砲や軽車両などの重装備を運搬可能になる。

防御および攻撃システムにおいて、アラブ首長国連邦向けのチヌークは同国の特有な環境に基づいて専用のカスタマイズが施され、AN/AAR-57共通ミサイル警報システムが追加装備されている。これは、来るミサイルを検知し、対応反撃措置を発動して携帯型ロケットなどの脅威に対する生存能力を強化し、パイロットと乗員の任務中の安全を確保する。

F-16戦闘機部品については、戦隼の主要な国際顧客の一つとしてロッキード・マーティン(Lockheed Martin)がアラブ首長国連邦に提供したF-16戦闘機は特別製作されたバージョンであり、「砂漠の鷹」(Desert Falcon)と呼ばれ、Block 60の強化型モデルである。現在、78機が現役で勤務しており、この型の戦闘機は先進的なシステムを装備しており、AN/APG-68VレーダーやジェットエンジンF110-GE-132、電子戦システムAN/ALQ-213を搭載し、世界各国最高峰のF-16バージョンの一つである。

アラブ首長国連邦空軍現役のF-16とミラージュ2000戦闘機。(アメリカ軍DVIDSシステムより)
アラブ首長国連邦空軍現役のF-16とミラージュ2000戦闘機。(アメリカ軍DVIDSシステムより)
アラブ首長国連邦とアメリカ軍の兵士が「チヌーク」(Chinook)ヘリコプターに搭乗。(アメリカ軍DVIDSシステムより)
アラブ首長国連邦とアメリカ軍の兵士が「チヌーク」(Chinook)ヘリコプターに搭乗。(アメリカ軍DVIDSシステムより)

これまでのF-16整備契約内容に照らして、今回の発注部品とキットには、航空電子設備、エンジン、センサー部品が含まれる可能性が高く、これにより空戦および精密攻撃任務に必要な戦力を確保するとともに、所属戦闘機の適合率も保たれるであろう。アラブ首長国連邦が特別な設計を必要とする主な理由は、同国のほとんどの土地が極度に乾燥して炎熱の砂漠地帯であることを考慮しており、このタイプの高性能戦闘機は厳しい砂漠環境下で砂塵と高温が戦闘機のエンジンおよび電子システムに大きな影響を及ぼすため、不注意が戦闘機を破壊する可能性があるためである。

長期的な対米軍事同盟関係を保ち続けているアラブ首長国連邦は、近隣のカタールやサウジアラビアのように第五世代戦闘機F-35(F-35 Lightning II)を潜在的購入リストに未だに追加しておらず、既存のF-16戦闘機の使用を継続している。さらに、地域内の潜在的敵国であるイランは同等級の戦闘機およびヘリコプターを保有せず、主力は旧式のソ連製プラットフォームや一部自製機型であるため、アラブ首長国連邦に直ちに強化が必要とされる理由がない。

公開資料によると、アラブ首長国連邦空軍は米国製F-16戦闘機の他に、フランスのダッソー社(Dassault)からミラージュ2000-5型(Dassault Mirage 2000)および次世代ラファール(Rafale)戦闘機を購入し、異なる空戦任務における運用を計画している。

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