風傳媒現地レポート》DSEI JAPAN 2025に33カ国が集結 台湾からは無人機・資安企業が参加

2025-05-27 17:45
日本で最大の軍事見本市が開催され、各国が次世代の武器を展示し、未来の戦場のトレンドを示す。(防衛省より引用)
目次

日本で唯一となる大規模な防衛・安全保障の展示会「DSEI Japan 2025」が、2025年5月21日から23日までの3日間、千葉・幕張メッセにて開催された。今回の展示会には、過去最多となる33カ国・471の企業・機関が参加し、そのうち日本企業は169社で全体の約4割を占めた。2019年に日本で初開催され、今回で第3回目を迎える同展示会は日本政府の後援を受けており、日本最大規模の防衛装備展示会として定着している。

今回の展示内容は戦闘機、大砲、戦車といった重火器にとどまらず、軽量兵器や最先端技術を応用した装備品も数多く出展され、多様化する現代戦への対応を示す内容となっている。

展示会場の総面積は2万6500平方メートルに達し、主催者は来場者数が1万4000人を超えると見込んでいる。これは、日本およびインド太平洋地域がグローバルな防衛産業において持つ戦略的な重要性を象徴するものでもある。

注目すべきは、日本のIT大手・楽天が、ウクライナの防衛技術機関「Brave1」と協力し、同国のスタートアップ支援と技術連携・復興支援の一環として「Brave1 Powered by Rakuten」ブースを設置した点である。このブースでは、電磁妨害対策、非GNSS(全地球航法衛星システム)測位、ドローン編隊制御、応急処置訓練など、実戦に即した応用が可能なイノベーションを提供する、無人機、医療テクノロジー、デジタルツイン技術を専門とするウクライナの新興企業6社が参加した。

会場空景。(黄信維撮影)
DSEI JAPANの会場には33か国・471の企業・団体が集結した。(写真/黄信維撮影

日本最大の防衛装備展に台湾企業も参加

今回の展示会には、台湾の防衛技術企業「Tron Future(創未來科技)」も数少ない台湾企業の一つとして出展している。《風傳媒》が現地で取材したところ、ブースでは技術者が「ソフトキル型無人機(Soft-kill UAV)」および「ハードキル型(Hard-kill)」関連システムのデモンストレーションを行っていた。

東京法人代表でありCEOを務める南宏和氏は、《風傳媒》のインタビューに応じ、自社製品の特徴と海外展開戦略について説明した。今回出展された主力製品は、同社のTレーダーERシリーズであり、センサー、ジャマー(妨害装置)、カメラなどのモジュールを組み合わせた「対ドローンシステム(反無人機系統)」として構成されている。 (関連記事: 風傳媒現地レポート》DSEI JAPAN 2025開幕 第6世代戦闘機模型が世界初公開 F-35を超える性能に注目 関連記事をもっと読む

この「対ドローンシステム」は、現在台湾の国防部との協力のもと開発が進められており、Tron Futureはすでに東南アジア、ヨーロッパ、中東など約6カ国に向けて提案を行っている。南氏は、同社が国際的な実績を有し、一部のレーダーはすでに海外で運用されていると強調した。さらに、Tron Futureは最近東京に法人を設立しており、将来的には日本国内で一定規模の生産体制を構築し、「Made in Japan」の防衛製品の開発・展開を視野に入れているという。これにより、日本の防衛省や民間企業との連携をさらに拡大し、輸出にも力を入れていく方針だ。

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