日本の改正戸籍法が5月26日に施行され、戸籍の「国籍」欄が「国籍・地域」に変更された。これにより、台湾出身者は戸籍の国籍欄に「台湾」と明記することが実質的に可能となった。また、同改正では氏名の「読み仮名」の記載も義務化され、「一般的な読み」に限定することで、いわゆる「キラキラネーム」への一定の制限が設けられた。
これまで日本の戸籍法では、国名のみを正式に記載できるとされていたため、台湾出身者であっても「中国」と登録されるケースが多かった。だが、今回の改正により、外務省が提供する「婚姻届」などの書式では「国籍・地域」と表記され、当事者の国籍を「台湾」とする記載が事実上容認される形となった。
また、今回施行された改正戸籍法では、「氏名の読み仮名」の欄が新たに追加されている。従来、出生届などの公的書類には氏名の読みが記載されていなかったが、今後は全ての氏名に対し読み仮名の登録が義務付けられる。ただし、その読み仮名は「社会通念上認められた一般的な読み」に限られ、常識的に理解しがたい名前や読み方には制限が加えられる。
いわゆる「キラキラネーム」と呼ばれる名前は、漢字本来の読みとは異なる読みを当てたり、アニメキャラクターや外国語由来の読みにしたりするケースが多く、周囲が読み間違えたり、本人が社会生活で不便を感じたりする事例が指摘されていた。
例えば、「愛」という漢字に「ラブ(Love)」、「月」に「ルナ(Luna)」、「光宙」に「ピカチュウ」といった読みを当てるケースなどが挙げられる。
今後、各市区町村は戸籍を有する住民に対して、登録予定の読み仮名を記載した通知書を郵送する。もし内容に誤りがある場合は訂正申請が可能だが、2026年5月25日までに修正がなされなければ、そのままの内容で正式に登録される。
法務省の通達では、認められる読み方の基準として「一般的な辞書に掲載されている読み」を挙げており、社会通念に照らして著しくかけ離れた読みや、秩序を乱すおそれのある読みは認められないとしている。
具体例としては、「太郎」という名前に「ジョージ」や「マイケル」といった読みを付けるケースや、「健」を「けんいちろう」と読むなど、名前に含まれない語を加えた読み方、また「鈴木」と記載しながら「さとう(佐藤)」と読むといった表記と読みの著しい不一致は却下される。
さらに、反社会的な意味合いを含む読みや、児童の健全な成長に悪影響を与えるおそれのある読みについても、明確に禁止されている。 (関連記事: 「“中国”と書かされるのは恥辱!」日本の戸籍・国籍欄に「台湾」記載可能に、在日台湾人:時期が来たら即座に変更希望 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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