「“中国”と書かされるのは恥辱!」日本の戸籍・国籍欄に「台湾」記載可能に、在日台湾人:時期が来たら即座に変更希望

2024年9月4日、日本岡山県児島のジーンズストリート。(AP通信)
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日本法務省は今年5月から、戸籍の国籍欄に台湾の表記を認めることとなり、台湾人は「台湾」という文字を登録できるようになる。このニュースを受け、日本人と結婚した多くの台湾人配偶者が興奮を示し、これは長年待ち望んだ正名であり、「時期が来たら、すぐに正しい表記に変更する」と述べている。

日本外務省が提供する「婚姻届」の様式には、当事者の一方が外国人の場合、本籍欄には「国籍」と記入するよう明記されている。日本の戸籍法は原則として国名のみを認めているため、台湾人の戸籍欄は「中国」と登録されていたが、今年5月からは国籍欄に「国籍・地域」の表記が可能となり、「台湾」と登録できるようになる。

実際、多くの在日台湾人が日本政府に戸籍の変更を要求してきた。これまで、在日台湾同郷会、在日台湾婦人会などの台湾人団体は、「外国人登録証明書」の国籍表記を「中国」から「台湾」へ変更する運動を継続的に行ってきた。

日本の「出入国管理及び難民認定法」は2009年に改正され、2012年の施行後、長年続いた「外国人登録証」制度が廃止され、「在留カード」が正式に導入された。国籍欄は「国籍・地域」となり、台湾の表記が可能となった。しかし、戸籍に関する問題は依然として残されていた。

日本人夫が台湾人妻のために10年前に署名運動を展開

台湾人女性と結婚した日本人の北出哲願氏は2015年に署名運動を開始。自治体の窓口で妻の戸籍表記を「台湾」に変更するよう請求したが、国が「中国」と記載するよう求めているため変更できないとの回答を受けた。

北出氏は、これは台湾人の人権を踏みにじるものだとし、「台湾人は台湾人であって、中国人ではない」として、「国籍」欄を「国籍・地域」に変更し、「台湾」の記載を可能にすることを求めた。当時、5万人以上の署名を集めた。

台湾人の戸籍「中国」としか書けない理由は1964年の一つの通知

参議院議員の大江康弘氏も2011年に書面質問を提出し、台湾出身者の国籍が「中国」と表記されているのは1964年にさかのぼり、当時の法務省民事局長が発した「中華民国の国籍表示を『中国』とすることについて」という通知が問題の根源だと指摘。

大江氏は、当時日本はまだ中華民国と国交があったが、その後日本が中華民国と断交し中華人民共和国と国交を樹立したことで、日本の台湾、中国との関係は大きく変化したと指摘。

大江氏は「在留カード」を例に挙げ、在留カードでは台湾出身者の「国籍・地域」表記を「中国」から「台湾」に明確に変更したと述べた。現在の国際情勢と法的環境に基づけば、台湾出身者の戸籍表記方式は現状と大きく乖離しており、早急な修正を提案した。

これに対し、当時の菅直人首相は答弁で、台湾出身者の戸籍国籍表記が「中国」となっているのは確かに1964年の通達によるものであり、台湾出身者の国籍を「中国」と表記することは「我が国(日本)が承認する『中国』を指す」として、この方式に問題はないとの認識を示した。

戸籍の国籍表記を在留カードに合わせることについては、日本政府は「台湾に関する我が国の立場等を考慮し、慎重な検討が必要」と曖昧な回答をし、この問題は長らく未解決のままとなっていた。

今回ついに、法務省は5月にシステムを大幅改修し、戸籍上の外国人の「国籍」欄を「国籍・地域」に変更することを決定。法務省令改正後、すでに「中国」と記載されている人で「台湾」への変更を希望する人は変更が可能となる。

このニュースが出ると、在日台湾人コミュニティで議論が巻き起こった。ある台湾人は「この『正名』は本当に長く待ちました。時期が来たらすぐに正しい表記に変更します」と述べ、また別の人は「当時『中国』と強制的に書かされたのは、まさに人生の恥辱です」と語った。

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