米国大統領トランプ氏が相互関税を課する方針を公表し、台湾が米国の半導体ビジネスを奪っていると再び名指しした。トランプ氏は「我々は彼らにアメリカに戻ってきてほしい。もしビジネスを持ち帰らないのであれば、我々は非常に不満に思うだろう」と述べた。
台湾積体電路製造(TSMC)は本日(14日)安値で始まり、前場は30元下落し、下落率は2%超となった。台湾株式市場は変動的な展開となり、前場の最安値は23163.66ポイントで、235.75ポイント下落し、10日移動平均線を試す展開となったが、その後下げ幅は縮小した。
電子株の主力である鴻海、台達電、聯発科は前場小幅安、日月光投控は1%超の上昇、AI サーバー関連株の広達は小幅安、緯穎は横ばいとなった。
地場証券会社によると、トランプ氏が本日相互関税を課すことを表明し、市場は半導体関税の実施や、米国がTSMCにインテル救済を要求する可能性など、今後の関税問題の進展に注目している。
相互関税の新たな戦線 学者:台湾産業への影響は限定的
トランプ氏が「相互関税」を打ち出したことについて、ジョージ・ワシントン大学講師の郭哲瑋氏は本日、台湾の対米輸出は電子製品が主体であり、相互関税の概念は「相手が課す税率と同等の税率を課す」というもので、台湾は近年ほとんど米国の同種製品に関税を課していないため、影響は限定的と評価している。
米国大統領トランプ氏は本日、台湾を含む米国に輸入品関税を課している全ての国に対し、相互関税を課す方針を公表した。
郭哲瑋氏は中央通信社のインタビューに応じ、台湾の対米輸出品目は多岐にわたり、機械・電子機器が他の分野を大きく引き離していると述べた。今回の「相互関税」により情報通信機器産業は影響を受けるが、その程度は小さいとしている。
同氏は、ここ数年、台湾は米国からの機械・電子機器部品にほとんど関税を課していないため、トランプ氏が「相互関税」を実施しても、米国政府は台湾からの電子製品輸入に多くの関税を課すことはないだろうと指摘した。
「台湾製品の性質を考慮すると、台湾製品への課税は米国の利益にならず、消費者を傷つける可能性がある」と郭氏は述べた。
台湾製品への課税 影響を受けるのは米国企業と消費者
同氏は、台湾から米国への輸出品である電子部品、電子製品製造装置、光学機器などは、カナダやメキシコが米国に輸出する医薬品や食品のような「消費者の手元に直接届く」最終製品ではなく、グローバルサプライチェーンの重要な一部として垂直統合の役割を果たしていると述べた。
郭氏は、言い換えれば、台湾製品への課税は米国の最終電子製品ブランドやメーカーに影響を与え、最終的に消費者が負担する可能性が高いと指摘した。 (関連記事: トランプの関税脅威と補助金カット、TSMCに対策はあるのか?台経院の専門家が本音を明かす:苦しむのは北米の大口顧客だ | 関連記事をもっと読む )
台湾の対米輸出品のもう一つの特徴は代替性の低さにある。郭氏は再びカナダの医薬品やメキシコの農産物を例に挙げ、米国には代替可能な国産品があると指摘した。しかし、台湾が輸出する情報通信製品や半導体は、米国の国内メーカーで代替できるとは限らない。電気自動車大手テスラやアップルのTSMC製半導体への需要がその最良の例である。