トランプ氏 再び台湾に言及!半導体生産の98%が「外国に奪われ」と不満、半導体・鉄鋼・銅に関税賦課を示唆

2025年1月20日、トランプ大統領がバイデン前大統領から残された書簡を手にする様子。(AP通信)

ホワイトハウスに復帰したばかりのドナルド・トランプ大統領は、米国に輸入される鉄鋼・ルミニウム・銅製品・およびコンピューターチップ・半導体・医薬品などの高付加価値製品に高額の追加関税を課す計画を発表。これらの製品の米国本土での生産を促すとしている。最新の発言で、新大統領は再び台湾に言及し、バイデン前政権のような補助金支給はしないと強調。また、現在98%のチップシェアが台湾に握られていることに不満を示し、この状況は将来的に変更されるべきだと述べた。

USA Todayの報道によると、トランプ氏はフロリダ州マイアミのゴルフクラブで共和党議員らにこの新政策を明かし、「アメリカをより豊かで強くした時代に戻る時が来た!」と述べた。さらに自身を1890年代末の第25代大統領ウィリアム・マッキンリーと比較し、その高関税政策に言及。

トランプ氏は、鉄鋼・銅・アルミニウムの輸入品に関税を課す理由として、これらが「軍事上必要な重要物資」であると説明。「生産ラインを米国本土に戻さなければならない。つい最近まで、我々は1日で1隻の船を建造できたが、今の我々は1隻の船さえ完全には作れない。我々はもはやその方法を知らない。すべてが他の地域や国々に流出してしまったからだ」と演説で強調した。

重要金属製品に加え、トランプ氏は「近い将来、政府はチップ・半導体・医薬品にも輸入関税を課し、これらの必要な商品の米国本土での生産製造を促進する」と付け加えた。さらに台湾を名指しし、半導体とチップ産業が米国から長く離れ、台湾が現在チップ市場の約98%のシェアを占めている状況は、将来的に是正されるべきだと主張。さらにバイデン政権を公然と批判し、前政権のような「馬鹿げた数百億ドルの補助金バラマキ計画」は実施しないと述べた。

台積電
TSMC(台積電)はバイデン政権から66億ドルの補助金を獲得。(AP通信)

トランプ氏が言及したのは、バイデン前大統領が米国の半導体開発促進のために導入した財政刺激策である。2022年に施行された「CHIPS and Science Act」に基づき、連邦政府は半導体企業に少なくとも530億ドルの補助金を提供。米国企業だけでなく、TSMC・サムスン電子・SKハイニックスなど米国に工場を設立する外国企業も相当額の補助金を受けることに同意し、企業の「米国内製造」を奨励することで、半導体製造分野における中国との競争力強化を目指していた。しかし新政権は補助金という「アメ」ではなく、「ムチ」を振りかざし、各企業を威嚇する姿勢を示している。

交渉がトランプ氏の常套手段だとすれば、2期目の彼は関税を外交・国内政策の核心的手段の一つとみなしているようで、あらゆる事案が関税と結びつけられている。例えば先週、不法移民の強制送還問題で移民の受け入れを拒否するコロンビアと対立した際、ペトロ大統領が米国の強制送還便の着陸を拒否したことを理由に、一方的に高額の輸入関税賦課を宣言。この騒動は、高額関税の圧力によってコロンビアが譲歩して終結した。

川普的關稅戰這次指向歐盟。(美聯社)
トランプ氏の関税戦争、今回は欧州連合(EU)を標的に。(AP通信)

台湾・韓国などの企業を悩ませる新しい宣言に加え、トランプ氏は就任前から、メキシコとカナダからの輸入品に2月1日までに25%の追加関税を課すと約束していた。これは両国と米国の国境における不法移民と麻薬問題が解決されていないことが理由とされる。さらに、中国からの商品に対しても既存の関税に加えて10%の追加関税を課すと発表。これら2つの「予告」が実際に実施されるかどうかは、各国と産業界が最も注目する新たな動向となっている。

台湾ニュースをもっと深く: 風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_jp

タグで探すおすすめ記事