台南で1晩に9回地震、全て「崙後断層」に関連 大地震の可能性高まると専門家が警鐘

南部での地震が続く中台南で26日午前、マグニチュード5.7の地震が発生。(資料写真、台湾電力提供)

南部で地震が相次ぐ中、台南市東山区で昨夜発生したマグニチュード5.7の地震に続き、本日(26日)午前にも再度マグニチュード5.7の地震が発生。台湾全土で揺れを観測した。前中央気象局地震予報主任の郭鎧紋氏は、最近の南台湾での地震の多くは21日の嘉義大埔地震の余震だと指摘。これまでの余震は口宵里断層で発生していたが、昨夜の余震は崙後断層に集中。崙後断層は過去の地震活動は顕著ではないものの、極めて高い歪み率を示しており、大地震の潜在的リスクが高いと警告している。

台南では25日午後7時49分にマグニチュード5.7(震源の深さ7.7キロ)、続く7時50分にマグニチュード4.8(震源の深さ6.8キロ)の地震が発生。中央気象署によると、これらは嘉義大埔地震の余震とされる。

郭鎧紋氏によると、昨日は有感地震4回、局所的地震11回の計15回の地震が発生。その内訳は台南東山区9回、台南楠西区4回、花蓮近海1回、東部海域1回。楠西区の地震は口宵里断層上で発生した大埔地震の余震である一方、東山区の9回の地震は崙後断層に関連していると分析。

崙後断層は台南に位置する逆断層で、北東方向に走向し、嘉義触口の東方から台南県左鎮郷栄和村まで約48キロメートルに及ぶ。一般的に触口断層の南方延長とされ、烏山頭断層とも呼ばれる。

郭鎧紋氏は、崙後断層は活断層ではなく、過去の地震活動は顕著ではないが、極めて高い歪み率を示していると指摘。この結果は断層が非地震性すべりの状態にあることを示し、断層周辺で地殻歪みが急速に蓄積されていることを示唆。大地震の潜在的リスクが高く、今後の継続的な監視と研究が必要だと強調している。

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