東京・下北沢駅から徒歩2分、華やかな外観が目を引く台湾料理店「台湾綺鷄(タイワンチージー)」。店名は「台湾奇跡」と同じ読み方で話題を呼び、FacebookグループでSNSでも注目を集めた。
許維志オーナーは、「台湾人が見てすぐに『本物の台湾人が経営している店だ』と分かる店名にしたかった」と『風傳媒』の取材に語る。看板メニューの「鶏排(チーパイ)」にちなんで「綺鷄」とし、「奇跡」(Miracle)との掛け言葉で多層的な意味を込めたという。
宜蘭出身オーナーが継承する伝統の味
台湾・宜蘭県出身の許氏(47)は、7歳で来日。銀座で「来来」という台南担仔麺の台湾料理店を営む家族の下、10年以上の経験を積んだ。コロナ禍で「来来」が閉店後、珍煮丹など台湾ブランドでの勤務を経て、2021年に下北沢でテイクアウト専門店をオープン。その後、店内飲食スペースも設けた。
伝統の台湾の味を追求―輸入が困難なら自家製で
煉瓦壁や看板など、店内は台湾テイストに溢れている。人気メニューの葱油鶏飯は、鹿島産地鶏を使用。「地鶏の風味と、程よい食感が特徴です」と許氏。
基本に忠実な料理へのこだわりは強い。「冷凍食材は一切使用せず、単価は上がりますが、新鮮な食材だけを使用しています」。豆腐乳は自家製で、魯肉(ルーロー)も自ら仕込む。「台湾の味を輸入するのが難しければ、自分で作ればいい」と笑顔で語る。
豚肉はカナダ産の三元豚を使用し、鶏肉は国産、調味料も手作り。「コストは上がりますが、より美味しい料理を提供するためには必要なこと」と語る。
自家製豆腐乳で味付けした鶏排―伝統の味を守り抜く
看板メニューの鶏排は、宜蘭で学んだ豆腐乳で漬け込み、発酵させることで柔らかく風味豊かに仕上げる。パイナップルを加えることで、酸味と甘みが肉質を柔らかくし、より深い味わいを引き出す。日本人向けに五香(ウーシャン)の風味を控えめにした以外は、台湾本来の味を追求している。
豆腐乳作りは妻の実家から学んだという。「宜蘭の豆腐乳の味が大好きで、お客様に最高の品質を提供したかった」と語る許氏。輸入が困難なため、独自の方法で台湾の味に近づけることに努めた。
今後は高田馬場周辺での店舗拡大を計画しており、より快適な食事空間の提供を目指している。
編集:佐野華美 (関連記事: 要注意!スーツケースの「この2つ」があると税関で罰金? 空港で思わぬ出費に | 関連記事をもっと読む )
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