なぜ大人が夢中に?バフェットも「稼ぐ宝石」と呼ぶ“人形ブーム”に注目

Jellycatのぬいぐるみ。(画像出典:Jellycat公式Instagram @jellycat)
目次

『エコノミスト』は7日、世界中がぬいぐるみに夢中になっていると報じた。消費者インサイト企業「Circana」によると、ぬいぐるみの売上は2021年から約58%増加し、2023年の世界市場規模は120億ドルに迫る。2030年までは年率8%の成長が予測されている。

TikTokでは、「#Plushies」のタグが付いたぬいぐるみや小物を紹介する動画の再生回数が80億回を超えている。世界各地の玩具店では品薄が発生し、イギリスの高級ぬいぐるみブランド「Jellycat」のポップアップストアでは事前予約制を導入。また、中国の玩具メーカーPop Martが製造する「Labubuドール」もアジアで高い人気を博している。

『エコノミスト』によると、ぬいぐるみの利益率は極めて高く、ウォーレン・バフェット氏も2022年に丸みを帯びたデザインの「Squishmallows」を製造する親会社を買収し、「稼ぐ宝石」と称している。

購入者は子供ではない

ぬいぐるみの売上を押し上げているのは子供ではなく、いわゆる「キッドアルト」(12歳以上の青少年・成人)だ。『エコノミスト』によると、2023年、キッドアルトは初めて就学前児童を上回り、玩具市場最大の消費年齢層となった。

市場調査機関「OnePoll」の調査によると、米国人の59%が自身を「キッドアルト」と認識している。これらの自称キッドアルトは「ノスタルジー」を感じると回答:子供時代の映画やテレビ番組を定期的に視聴(59%)、アニメを観賞(54%)、または子供時代に使用した製品を購入(49%)している。

また、38%が職場や自宅でおもちゃやフィギュアのコレクションを展示しており、そのうち68%が人間関係の構築や強化につながったと回答している。調査では、余裕資金がある場合、54%がおもちゃやフィギュアの購入に充てると回答。平均して、コレクターは月額158ドルをおもちゃやフィギュアの購入に費やす意向を示している。

米国のZ世代とミレニアル世代2000人を対象とした別の調査では、65%の成人が、子供の頃に親が買えなかった、あるいは許可しなかったものを現在は自分で購入できることを認識している。そのうち54%が、ゲーム機、服、お菓子など、子供の頃に持てなかったものを「しばしば」または「常に」購入し、40%が高価なおもちゃに「大金を費やす」と回答している。『ニューヨーク・ポスト』によると、70%が成人の友人へのプレゼントとしておもちゃやフィギュアを選んでいる。 (関連記事: 揃ってオールスターゲーム出場へ 台湾人選手ガディアガ、游艾喆、曾祥鈞が日本リーグでの経験を語る 関連記事をもっと読む

ぬいぐるみブームの起源

『エコノミスト』は、このブームがパンデミック期に始まったと指摘する。青少年や若い成人が自宅待機を余儀なくされ、かわいいおもちゃに心の安らぎを求めた。オンラインぬいぐるみショップ「Baby Beans」のルーシー・ドレイ店主は、ぬいぐるみは「幸せと慰めをもたらす」もので、これらの感情は「私たちの世界では容易に見つけられない」と述べている。

タグで探すおすすめ記事