台湾で農園ボランティアを経験 東京「美麗コーヒー」から台湾コーヒー豆と料理を発信!

美麗コーヒー(MEILI COFFEE)は、オーナーの小山立氏が創業。(撮影:黄信維)
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美麗コーヒー(MEILI COFFEE)は、オーナーの小山立氏が創業。京王線下高井戸駅から徒歩圏内に位置する。元商社マンの小山氏は、台湾での農業ボランティア経験を通じて台湾コーヒーに強い関心を持つようになった。台湾のコーヒー豆や魯肉飯などの伝統料理を日本に紹介したいという思いから、台湾の雰囲気を醸し出す独特のカフェを自ら設計・開業した。風傳媒の取材によると、パンデミック以降は人手不足や経営の課題に直面しているものの、情熱と信念を持って店を運営。東京における台湾文化の発信拠点として、日本人と台湾人の顧客を惹きつけ、日台文化交流の象徴となっている。

店名の「美麗(MEILI)」は、プロモーション活動を共にした「美」の字を持つ仲間と、自身の名前「立」(「麗」に近い発音)を組み合わせたもの。後にポルトガル人が台湾を「美しい島」(Formosa)と呼んだ歴史との繋がりを知り、正式な店名として採用。カウンター後方に掲げられた「美麗」の文字は、オーナーの祖母(書道家)による揮毫で、格調高く優美な雰囲気を醸し出している。

2020年に開店した美麗コーヒーだが、その契機は2014年まで遡る。台湾での農業ボランティア活動中に初めて台湾コーヒーを味わい、その美味しさに感銘を受けた小山氏は、台湾がコーヒーやカカオの生産地であることを知る。3ヶ月間のボランティア活動では台湾各地を巡り、文化や産業への理解を深めた。帰国後、日本市場における台湾産コーヒーやカカオの希少性に気づき、普及活動を開始した。

DIYの内装装飾 世界各国から訪れる顧客

店内の壁、床、テーブルや椅子はすべてオーナーと仲間たちの手作り。各テーブルや椅子には微妙な個性が見られる。床材には特殊コーティング材「Mortex」を使用し、コスト削減のため自ら施工技術を習得して仕上げた。「大変でしたが、面白く、印象深い経験となりました」。店舗コンセプトについて小山氏は「この店を通じて日本のお客様に台湾の文化と味を感じていただき、台湾を好きになって、実際に台湾へ行ってみたいと思っていただければ、それが最高のスタートです」と語った。

現在、2号店の出店も検討中だが、医療機関などの安定的なテナントが優先される傾向にあり、2024年には3件の物件を申請するも競合に敗れている。新メニューとしては麻辣湯麺などの新作ラーメンや日替わりデザートの展開を計画している。

コーヒー文化の継続的な発信 オーナーの人生観の体現

下高井戸駅近くに位置する美麗コーヒーは、サブカルチャーの聖地・下北沢にも近い。小山氏自身、日本大学文理学部中国文学科の学生時代からこの地域に馴染みがあり、八百屋でのアルバイト経験もある。この地で台湾と日本を結ぶカフェを営むことは、彼の人生の集大成といえる。

東日本大震災時の台湾からの支援に感銘を受けたことも、台湾コーヒーを日本に広めたいと考えるきっかけとなった。2014年の農園ボランティア経験を経て、20代から30代にかけて夢を追い続けてきた小山氏。コーヒーと台湾料理を通じて日台交流の理想を描き、その「コーヒーの夢」は着実に実現へと近づいている。

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