DeepSeekに注目 なぜ米国株式市場に衝撃を与えた?技術はOpenAIと肩を並べるのか?

中国の新しい生成AIシステム「DeepSeek」が突如として登場し、米国株式市場の関連産業が急落した。(AP通信)
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中国のDeepSeekは、低コストでも強力なAIモデルを訓練できると主張し、AI訓練には高価な精密チップが不可欠というステレオタイプを覆したことでテクノロジー株の恐怖を引き起こした。NVIDIAは27日の取引終了時に17%急落し、米国上場企業史上最大の単日下落率を記録した。

テクノロジー株が大幅下落

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、テクノロジー株中心のナスダック総合指数が3.1%下落。S&P500指数は先週の史上最高値から1.5%下落し、多くの企業が二桁の損失を被った。オラクルの株価は14%下落、スーパーマイクロコンピュータは13%下落、半導体メーカーのブロードコムは17%下落した。

ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、27日の市場暴落により米国株式市場から約1兆ドルが蒸発した。今日の株価下落は予期せぬ逆風と言える。トランプ当選以来、米国株式市場は史上最高値圏にあり、投資家は新政権のビジネスフレンドリーな政策に賭け、AIセクターの上昇による恩恵を享受していた。

DeepSeekとは

ニューヨーク・タイムズによると、DeepSeekは中国のヘッジファンド「High-Flyer(幻方量化)」が設立・運営するスタートアップで、OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiなどに匹敵するAI技術の開発を目指している。

DeepSeekは中国で若手AI人材の採用で知られ、高給と最先端研究プロジェクトへの参加機会を提供し、トップ大学の研究者を集めている。High-FlyerとDeepSeekはともに中国の起業家、梁文鋒が経営している。

なぜDeepSeekはこれほどの衝撃を与えたのか

DeepSeekは2023年12月26日にDeepSeek-V3という大規模言語モデルをリリースした。その性能はすでにOpenAIやGoogleなどの米国企業が展開する優れたチャットボットと匹敵するものとなっており、この点だけでも世間を驚かせた。しかし、DeepSeekが技術構築を説明した研究論文で、AI訓練に使用したチップの数が他の米国企業よりもはるかに少ないと述べたことで、地震のような衝撃を引き起こした。 (関連記事: トランプ氏 再び台湾に言及!半導体生産の98%が「外国に奪われ」と不満、半導体・鉄鋼・銅に関税賦課を示唆 関連記事をもっと読む

世界の一流企業がチャットボットを訓練する際には、少なくとも1.6万個のチップを使用するのが一般的だが、DeepSeekのエンジニアたちは約2,000個のNVIDIAチップのみを使用したと述べている。