2024年の総統選と立法委員選挙後、与野党の対立が一層深まる中、2025年の春節は9連休となり、食事や麻雀の他、参拝に出かける人々は、寺社で紅包(お年玉)を配る政治家に出会うかもしれない。実際、年中行事における「政治学」は、官僚や議員たちの必修科目。祝日に配布される記念品から、春節の紅包、春聯(春の対句)まで、これらは人気度を測る一つの重要な指標となっている。
巳年となる今年、総統府は賴清徳総統の元旦演説後、年賀状・春聯・紅包袋・福袋などの春節グッズを公開。今年の春聯の言葉は「六順和春」で、「六六大順(すべてが順調)」の意味を表している。干支で蛇は6番目、台湾語で「蛇」は「溜」と呼ばれ、物事が滑らかに進むという意味を持つ。「和春」は穏やかで温かく、繁栄が余るという意味を象徴している。
多くの政治家は、その年の干支に関連した祝詞を選ぶ。例えば、蔣萬安台北市長の「蛇馬龍鶴」、韓國瑜立法院長の「金蛇迎春」、さらには助理費用問題で職務停止中の高虹安新竹市長も「蛇馬攏安」を発表し、一時的な品切れが起きるほどの人気を集めた。注目すべきは、京華城案で勾留中の前民眾党主席柯文哲も「蛇来運転(来年は運気上昇)」の春聯を出し、代理主席で補選出馬を表明した黃國昌は「祥蛇賀歲」を選んでいる。
特筆すべきは、台湾がワールド12強野球で優勝して歴史を作ったことを受け、中華職業棒球大連盟の会長で民進党立法委員の蔡其昌が特別に「台湾尚勇(台湾は最も勇敢)」という春聯を発表。巳年の要素は含まれていないにもかかわらず、爆発的な人気を博している。これを受けて、賴清徳が台南市長時代から「一生あなた一人を監視する」と宣言していた国民党立法委員の謝龍介は、通常の習慣に反して自分や党内の重鎮、政治スターの春聯を貼らず、あえて総統の春聯で「場を盛り上げる」選択をした。
政治家の春聯は時として人気の指標だけでなく、施政の「別の成績表」となることもある。謝龍介は自身の研究室のドアに「六順和春」を貼った後、賴清徳の部下たちが皆「台湾尚勇」を貼っていることを皮肉り、自分は惜しむ気持ちで総統を「応援する」と述べた。2013年の春節を振り返ると、当時の馬英九総統の揮毫による春聯と紅包が例年ほど人気がなく、自党の立法委員でさえあまり盛り上がらず、「視認性」が低かったと報じられた。当時の国民党立法委員蔡正元は「これは馬政権への一種の警告だ」と指摘していた。
編集:佐野華美 (関連記事: タピオカより魅力的!ドイツ人建築家が選ぶ「台北の魅力」〜本場ソウルをも超えた至高のコーヒー文化~ | 関連記事をもっと読む )
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