日本で働く台湾のBIMエンジニアShinさん。日本での生活は「実践しながら学ぶ」を人生の信条とし、自身を風に乗って舞い降りるタンポポに例え、建築への愛を胸に異国の地で根を下ろし成長を続ける。『風傳媒』のインタビューで、中学時代の透視図の授業をきっかけに建築への興味を持ち、現在は台湾での職歴を含め建築業界で10年以上のキャリアを重ねていると語った。彼女の物語は、夢を追い続ける力を示すだけでなく、日本での就職を目指す台湾人に貴重なアドバイスを提供している。また、日本で働きたい人には勇気を持って挑戦してほしいと、夢を持つ人に恐れないよう励ましの言葉を送った。
建築業界はより正確で効率的な運営モデルを実現しつつあり、BIMエンジニアは現代の建築プロジェクトにおける重要な推進力となっている。彼女は中学時代の美術の授業で透視図を学び、建築に興味を持ち始め、建築を学ぶいとこの影響も受けて、建築の道を志した。当時、教師は工業高校建築科の将来性に疑問を投げかけたが、彼女は自身の目標を貫き、大安工業高校建築科に合格、卒業後は朝陽科技大学建築学科へと進学。卒業後、台湾で約5年間働き、豊富な建築実務経験を積んだ。
美術の透視図課題で建築に興味 遊園地ホテルのプロジェクトが印象深く
日本での新生活を決意したのは2017年のことだった。インタビューで振り返ると、当時台湾の建築事務所で主にBIM(Building Information Modeling)技術を担当していた。この技術は従来の2D CAD製図とは異なり、3Dモデリングを基礎として平面図・立面図・断面図を統合、データの不一致を防ぎ、設計の効率性と正確性を向上させる。特に印象に残るプロジェクトとして、遊園地内のホテル設計を挙げた。
このプロジェクトは米国の設計会社との協働で、色彩・材質・建築の詳細な統合に厳格な要求があった。パンデミック期間中、検収作業はビデオ会議で行われ、BIM技術を活用してクラウド上のモデルでリアルタイムに建築の平面・立面・詳細設計の要件確認を実施し、BIMの遠隔コミュニケーションと詳細調整における利点を示した。「ゼロから完成まで携わった建物が今はGoogle マップにも表示され、大きな達成感がある」と語る。また、ホテル・水族館・商業施設・展示会場など多様なプロジェクトに携わってきたが、住宅設計の経験はまだないという。
言語はただのツール 「実践しながら学ぶ」が人生の信条に
「実践しながら学ぶ」を人生の信条とし、問題に直面しながら成長し、自分の方向性を見出してきた。日本での日々について、Shinは自身を「タンポポのように日本に舞い降り、根を下ろした」と表現する。不確実性や困難に直面しながらも、建築への情熱を持ち続け、最終的に自分の居場所と方向性を見出せると語る。7年以上に及ぶ日本での職務経験は、自身の選択への確信を深め、BIMとAIの融合など、新技術への挑戦を続けている。
編集:佐野華美
台湾ニュースをもっと深く: 風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_jp
(関連記事: 書道の名家・張炳煌氏 特別展が東京で開幕 李逸洋代表:台湾の人文芸術の成果を紹介 | 関連記事をもっと読む )