陸文浩視点:米仏日空母共同演習の競演─中国軍南部艦隊が先行、東部艦隊は尖閣諸島に増兵

グアムでの演習に向かう途中、KC-135空中給油機から給油を受ける米海兵隊F-35B戦闘機。(写真/米空軍)

日本の石破茂首相とアメリカのトランプ大統領は台北時間2月7日夜、ワシントンにて初の首脳会談を行い、中国の海洋活動に対する反対の意思を表明し、「日米安保条約」第五条が尖閣諸島に適用されることを再確認し、共同声明では台湾海峽の平和と安定の重要性に言及するものとされる。これにより、中国軍東部戦区の海空戦力が今後、近傍にて増強され、「連合戦備警巡」と連携して領土主権を維持することが予測される。

中国軍東部戦区は2月2日(旧正月5日)1140時より、2月最初の「連合戦備警巡」を実施し、直ちに5日(旧正月8日)1455時より、第二回「連合戦備警巡」を実施した。これらは尖閣諸島の領土主権維持と、米仏空母打撃群のバリントン海峡経由での南シナ海から西太平洋への進入に対する防衛を目的とする。期間中の2日から3日には中国軍南部戦区の艦船3隻が南シナ海からフィリピン内海を経てフィリピン海に進入し、中国海軍の年度初の遠海訓練を実施した。今後、中国軍北部・東部・南部戦区の海空戦力は「連合戦備警巡」を基盤として、「遠海長航」訓練を段階的に展開し、米仏日豪等の軍事同盟によるフィリピン海・グアム・南シナ海等での軍事演習に対応する。

美法日航母聯演拚場,共軍南艦遠海先發,東艦增兵釣魚台。(作者提供)
米仏日空母共同演習の展開、中国軍南部艦隊の遠海先行、東部艦隊の尖閣諸島増兵。(筆者提供)

まず、米国空母カール・ビンソン(CVN-70)は1月27日から31日までタイのラヨーンを訪問し、ナトゥナ諸島付近の海域に到着、2月4日には南シナ海にて艦載機の離着陸訓練を実施した。5日には米日豪比「海上協力活動」多国間共同演習を行った。

報道によると、米海軍「カール・ビンソン」空母打撃群、フランス海軍「シャルル・ド・ゴール」空母戦闘群、および日本海上自衛隊「かが」(DDH-184)は2月10日から18日にかけて、フィリピン海にて「Pacific Steller 2025」3空母演習を実施する予定である。従来、米空母の南シナ海と西太平洋間の海上戦略通路はバシー海峡もしくはバリントン海峡であった。

しかしAIS信号によると、6日「カール・ビンソン」空母打撃群は南シナ海からスールー海、シブツ水道を経てスラウェシ海に進入して活動を行い、また日本の「かが」は6日呉港を出港し、フィリピン海に進入した。

期間中の2月5日、我が国国防部は1800時に、1455時以降、中国のJ-16、空警-500等各種主力・支援戦闘機および無人機計23機が出海活動を行い、そのうち19機が中間線およびその延長線を越えて我が国の北部・中部・東部および西南空域に進入し、中国艦艇と共に「連合戦備警巡」を実施したと発表した。

次に、我が国国防部は6日9時頃、5日6時から6日6時までの間に、中国機27機(うち海峽中間線を越えて北部・西南および東部空域に進入したのは23機)および中国艦艇6隻、公務船1隻が、引き続き台湾海峡周辺で活動を行っていたと発表した。 (関連記事: 台湾海峡へは侵攻させない! 米国から警告:中国軍2027年に現代化完了へ 関連記事をもっと読む

上記の通り、5日1415-1840時には支援戦闘機計2機が尖閣諸島の西北遠方空域で活動を行った。0930-1115時にはヘリコプター(Z-9艦載ヘリと推定)1機が尖閣諸島以西の空域で活動を行った。この措置は、明らかに中国軍が少なくとも戦闘艦1隻を増派し、尖閣諸島付近海域における中国海警船隊の常態的巡視を支援するものである。これは先日(1月30日)の日本の中谷元防衛大臣と米国の新任国防長官ピート・ヘグセス(Pete Hegseth)との約40分間の電話会談において、両者が尖閣諸島に日米安全保障条約第5条が適用されることを確認したことへの対応である。

日本空自F-35A機隊抵達關島,首度參與「北方對抗25」聯演。 (取自自衛隊航空總隊司令部「X」帳號)
日本航空自衛隊F-35A部隊がグアムに到着、初めて「ノーザンエッジ25」共同演習に参加。(航空総隊司令部「X」アカウントより)