台湾出身の歩小心さんが風傳媒の取材に応じ、日本での生活やキャリア形成について語った。歩さんは「日本語を学びたい」という思いから2014年春、語学留学として来日。当時の日本語能力はN4〜N3レベルであり、東京の語学学校に1年間通った後、さらなる向上を目指し東京大学の研究生となった。
もともと台湾でテレビ局記者として2年以上勤務していた歩さんは、「同じ生活を続けるのか、それとも新しい挑戦をするのか」と考えた末、日本語習得がキャリアの幅を広げる可能性を感じ、留学を決意したという。
研究室生活を送る中で、「研究よりも発表や実務の方に情熱を感じた」と実感し、最終的に研究の道を離れ、就職活動に方向転換した。ちょうど安倍晋三元首相が観光立国政策を推進していた時期であり、歩さんは海外営業を強化していた中小ホテルグループに就職。そこからキャリアをスタートさせた。その後、2年前に現在の大手ホテルグループに転職。前職の経営方針変更により「より大きな組織で海外営業に挑戦したい」と考え、転職に踏み切ったと振り返る。
日本での11年間を通じ、歩さんは「経済的には比較的順調だったが、仕事面では苦労もあった」と率直に語る。特に海外営業の場面では「日本人の保守的な市場観」や「外国人への視線」が障害となることもあり、「海外市場を国際的な視点で見る重要性」を強く感じてきたという。
これから日本で挑戦を考える人々へのアドバイスとして、歩さんは「理想と現実のギャップをどう受け止め、バランスを取るかが大切」と語る。「現実との落差に幻滅することもあるが、それでも自分が納得できる形を探し続けることが大事」と、冷静かつ温かいメッセージを送った。
さらに、現在携わるホテルの海外営業については、「外国人の国際感覚や柔軟性が、日本の保守的なやり方を補完し得る」と強調。「海外経験が豊富な台湾人だからこそ、多角的な視点で業務を推進できる」と、海外営業における外国人ならではの強みを語った。
編集:佐野華美 (関連記事: タイガーエア台湾、米子-台北直行便が就航!日台交流の新たな架け橋に | 関連記事をもっと読む )
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