米国務長官、一部中国人学生のビザを「積極的に」取り消しへ 影響範囲は?

2025-05-30 18:03
米国務長官ルビオ氏、米国政府が一部の中国人学生のビザを取り消すと発表。(AP通信)
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米国のマルコ・ルビオ国務長官は米東部時間5月28日、中国共産党と関わりのある学生や、機微な分野を学ぶ学生を対象に、一部中国人学生のビザを取り消すと発表した。この決定は米国の国際教育システムに重大な影響を及ぼし、影響範囲は全米の110万人以上の留学生に及ぶ可能性がある。

ルビオ氏はSNSプラットフォームXで、「積極的に」中国人学生のビザを取り消すと発表した。中国はインドに次ぐ米国への留学生供給国だ。2023~2024学年度には27万人以上の中国人学生が米国で学び、米国の全留学生の4分の1を占めている。

国務省が新規ビザ面接を停止、SNS審査を強化へ

この措置は米国の高等教育に深刻な影響をもたらす。国際学生は通常、全額の学費を支払う必要があり、大学にとって重要な財源となっているからだ。

5月27日、ルビオ氏は国際学生の新規ビザ面接の予約を停止すると発表した。国務省が学生のソーシャルメディア活動に関する審査を強化するガイドラインを準備しているためだという。この停止措置は3つのビザに影響を与える。F-1ビザ(全日制の学校に通う学生対象)、J-1ビザ(交換プログラムに参加する学生対象)、M-1ビザ(職業訓練や非学術課程を受講する学生対象)だ。

2019年以来、ビザ申請者にはソーシャルメディアアカウント情報の提供が求められている。新しいガイドラインがどのような追加審査を含むのかは明らかにされていないが、新たな審査プロセスにはより多くのリソースが必要になる可能性が示唆されている。

ウィスコンシン大学オシュコシュ校の学生、ヴラディスラフ・プリャカ氏は、ポーランドにいる母親を訪ねるためのビザを更新する予定だったが、予約が停止されているため行けないと語った。この学生はもともとウクライナの高校交換留学生で、その後米国で大学に進学した。「今はこのシステムを信頼できない」と述べ、予約が再開されたとしても米国を離れることにリスクを感じているという。

トランプ氏、ハーバードの留学生割合制限を要請

ウィスコンシン大学マディソン校では、名前を明かさないベトナムの学生が、標的になることを恐れて今年の夏に帰国する計画を中止した。この学生は頻繁に学校の国際交流事務所にメールを送り、自身の合法的な滞在資格を確認しているという。「常に拭えない不安感がある。本当にプレッシャーがかかる」と述べた。 (関連記事: 米国が留学生ビザ面接を全面停止へ SNS投稿も審査対象に 関連記事をもっと読む

トランプ政権はハーバード大学での国際学生の割合を制限する決定をしようとしていたが、現在は連邦判事によって一時停止され、訴訟結果を待っている。トランプ氏は28日、大統領執務室で記者団に対し、ハーバードの現在の学生の4分の1以上が国際学生であり、この比率を約15%に制限すべきだと述べた。トランプ氏は「彼らが私たちの国を愛する人々であることを確信したい」とし、「彼らが非常に過激な地域から学生を招いている。我々の国に問題を起こさせたくない」と指摘した。