台湾・賴清徳総統が8月に南米のパラグアイや中米のグアテマラ、ベリーズを訪問する計画が報じられている。その際、米国のニューヨークやテキサスを経由する可能性があるという。実現すれば、賴総統が総統就任後に米国本土を訪れる初めての機会となる。
これについて、中国外交部の林剣報道官は15日の定例会見で強い警告を発し、「米国側は台湾問題の高度な敏感性を認識し、一つの中国原則と中米三つの共同コミュニケを忠実に守り、台湾問題を慎重に扱うべきだ」と要求した。
中国外交部、「3つの反対」を表明
林剣報道官は同日の会見で、次の「3つの反対」を表明した。
・どのような形であれ米台間の公式な往来に断固として反対する
・台湾当局の指導者がいかなる名義や理由でも米国を訪問することに断固として反対する
・米国がいかなる形であれ「台独」分裂勢力を助長・支持することに断固として反対する

さらに林氏は、「一つの中国原則は国際関係の基本的な規範であり、国際社会の共通認識である」と指摘。これを堅持することは国際的大義であり、人心の向くところであり、大勢の流れだと強調した。近年、パラグアイを含むラテンアメリカの多くの関係者が中国を訪問していることに触れ、中国と積極的な関係を築くべきだと訴えた。
また、パラグアイの現政府に対しては「時代の潮流に逆らってはいけない」と警告し、「台独」勢力に振り回されず、本国の利益に合致した選択をすべきだと述べた。ラテンアメリカやカリブ海諸国には、台湾問題を慎重に扱い、中国との友好関係を深めるよう期待を寄せた。
トランプ・習会談の行方が賴清徳の経由に影響も
香港メディア「南華早報」は15日、賴総統の8月の南米訪問計画におけるニューヨークとテキサス経由が北京を刺激する可能性が高いと報じた。情報筋によれば、米中関係の進展次第では賴総統の行程に変更が生じる可能性があり、トランプ大統領と習近平主席の会談を考慮して米国経由が取りやめられる可能性もあるという。

報道では、習主席とトランプ氏の会談が行われるとすれば、最も有力なのは10月から11月に予定される韓国・慶州でのAPECサミットであり、その後トランプ氏が北京を訪問する可能性も取り沙汰されている。
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