ベトナムはこのほど米国と新たな貿易協定を締結し、国内法の改正を進め、いわゆる「産地偽装」と呼ばれる違法な転送行為(illegal transshipment)を取締るため、より厳しい罰則を導入する準備をしている。ハノイ当局は今回の重点監査対象が中国製品に焦点を当てていることを明示し、トランプ政権に対する約束の履行を図る方針を示した。
《路透》は入手した内部文書を基に、米中貿易戦争が始まって以来、米国からの非難が続いていることを報じている。その内容によると、ベトナム企業は中国製品に虚偽のラベルを付け、Made in Vietnamとして偽って輸出することで、高い輸入関税やさまざまな監査を回避していると指摘されている。
Vietnam is preparing stricter penalties to crack down on trade fraud and the illegal transshipment of goods, and has focused its inspections on Chinese products as it tries to comply with commitments made to Washington.#NSTBusinessTimeshttps://t.co/c7wPMkPFcL
— Business Times Malaysia (@MYBusinessTimes)July 10, 2025
しかし、4月にトランプが発表した世界関税リストで、ベトナムは46%の関税に分類され、これが深刻な打撃をもたらすと予想される中、ハノイは自主的に譲歩し、多方面での交渉を重ねた結果、最終的に米国と初期合意に達し、税率は20%に低下した。ただし、この合意には但し書きがあり、米国が商品を「違法な転送」、すなわち越南を経由した産地偽装と認定した場合、40%の関税が課される。
《路透》が入手した商業部の草案全文によると、ベトナムはこの新たな法律でより厳しい審査手続きを導入する予定で、現場監査を強化し、原産地証明書の発行審査を増やすなどして、官僚や企業が抜け穴を利用することを防ぐ方針。ただし具体的な罰則についてはまだ言及されていない。

調査の対象となる商品は何か?米国が次の厳しい監査の対象として挙げたのは、木製家具、ベニヤ板、鉄製の機械部品、二輪車、電池、ワイヤレスイヤフォン、その他の電子製品などである。報告はまた、原産地証明書を偽造し、あるいは越南を経由して貨物に虚偽のラベルを貼り付けて転送するなど、複数の詐欺手段を列挙している。
にもかかわらず、米越両国の初期合意には「違法な転送」の明確な定義がなく、もし明文化されないままなら、この40%の関税の裁量権は、将来米国がベトナムを抑制するための潜在的なパワーとして利用される恐れがある。今回の協議の機会を通じ、米国はベトナムに対し、特に電子製品分野での中国からの部品輸入依存を減らすよう呼びかけていることが明らかになった。
産地偽装の由来
2018年の米中貿易戦争勃発以来、ワシントンは北京に対して高い関税を課し、一部のメーカーが南下する要因となった。これにより国境を隔てたベトナムは、対米輸出量がほぼ三倍に増加した。
しかし同時に、米国商務省と貿易代表部は、ベトナムが中国からの輸入も大幅に増えていることを発見した。2024年の米越両国の公式データによれば、双方向の貿易額はほぼ完全に一致し、対米輸出と対中国輸入の金額はともに1,400億ドルに達している。このため、中国製品が越南を経由してラベルを張り替えることで関税回避を図るという疑念が米国側で生じている。
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編集:佐野華美
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