鄭麗文氏、米シンクタンクで両岸和平の「ロードマップ」語る 「時間は台湾の味方ではない」

国民党の鄭麗文主席(左)はニューヨークを訪問し、現地時間8日、米シンクタンク「アジア・ソサエティ」の座談会に出席。ダニエル・ラッセル元米国務次官補(東アジア・太平洋担当、右)と対談した。(写真/中央社提供)
国民党の鄭麗文主席(左)はニューヨークを訪問し、現地時間8日、米シンクタンク「アジア・ソサエティ」の座談会に出席。ダニエル・ラッセル元米国務次官補(東アジア・太平洋担当、右)と対談した。(写真/中央社提供)

台湾の最大野党・国民党の鄭麗文主席は米東部時間6月8日夜、米ニューヨークで、今回の訪米中唯一となる米シンクタンクとの公開イベントに出席した。司会者からの懐疑的な質問や聴衆の関心が集まる中、鄭氏は今後の両岸(台湾と中国)関係や、国民党が2028年に政権復帰した場合の方針など、踏み込んだ質問に応じた。

鄭氏は、国民党が目指す両岸関係について、どちらか一方が犠牲や妥協を強いられ、自らの制度を完全に放棄するものではないと強調した。その上で、自身の和平構想は理想論ではなく、現実的な路線だとの考えを示した。

米シンクタンクで相次いだ厳しい質問

​米シンクタンクのアジア・ソサエティ(Asia Society)は8日夜、ニューヨーク本部で座談会を開いた。鄭氏のほか、同協会に所属するダニエル・ラッセル元米国務次官補(東アジア・太平洋担当)、同じく同協会所属でカリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院の元院長であるオービル・シェル氏が登壇した。

座談会では、鄭氏が先に中国の習近平国家主席と会談した「鄭・習会談」や、両岸関係の今後、国民党が果たし得る役割について議論が交わされ、会場は熱気に包まれた。

米中間の相互不信が根強い中、米側は鄭氏の立場に関心を示す一方、同氏が掲げる両岸和平や対話、交渉の実現可能性に対して少なくない疑問も投げかけた。これに対し鄭氏は一つひとつ答えた上で、ドナルド・トランプ米大統領による先日の訪中と北京での米中首脳会談を前向きに評価した。

鄭氏は、米中両国が交流を通じて相互信頼と友好関係を築き、冷戦思考やゼロサムゲームから脱却することに期待を示した。

鄭氏はまた、国民党は一貫して台湾独立に反対し、中華民国憲法を遵守してきたと説明した。中華民国憲法は「一つの中国」を前提とする憲法であり、「92年コンセンサス」は中華民国憲法と、両岸が同じ一つの中国に属するという原則に合致しているとの認識を示した。

一方で、国民党が目指す両岸関係は、どちらか一方が犠牲や妥協を強いられ、自らの制度を完全に放棄するものではないと強調した。両岸和平のために、台湾が民主主義や自由、法治、豊かな社会を放棄しなければならないとは考えていないとも述べた。

シェル氏が香港の現状と台湾との比較について質問すると、鄭氏は、香港は1997年まで英国の植民地であり、英国から中国に返還されたと説明した。一方、台湾については、1945年に日本の植民地支配が終わり、第二次世界大戦後に日本から「中国、すなわち中華民国」に返還されたとの認識を示した。その上で、「台湾を中国大陸に返還できる者は誰もいない」と述べた。 (関連記事: 【スクープ】米外交界は国民党・鄭麗文主席に「困惑」 米シンクタンク幹部が語る訪米の意味 関連記事をもっと読む

国民党主席の鄭麗文氏がニューヨークのシンクタンクでのイベントに出席
国民党の鄭麗文主席は8日、アジア・ソサエティで開かれた公開座談会で、登壇者や参加者からの質問に応じた。(写真/中央社提供)

EUの経験を例に、両岸和平の道筋を説明

​台湾をめぐる地政学的緊張の高まりや政治の二極化を背景に、今回の対話では、台北と北京による対話の可能性、潜在的な対話の担い手としての国民党の役割、不確実性が増す中で台湾海峡の現状を維持できるのかが議論された。

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