世界の核弾頭、総数減少も実戦配備可能分は増加 中国の核戦力近代化が加速

専門家は、核弾頭保有9カ国が核戦力の近代化を進めているほか、核兵器を重要な防衛手段と見なす国が増加していると指摘する。(写真/AP通信)
専門家は、核弾頭保有9カ国が核戦力の近代化を進めているほか、核兵器を重要な防衛手段と見なす国が増加していると指摘する。(写真/AP通信)

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は8日、2026年版の年次報告書を発表した。最新の統計によると、今年1月時点での世界で保有される核弾頭の総数は推定1万2187発となり、前年の1万2241発から若干減少した。

しかし研究者は、総数の減少は主に、米国とロシアが退役した古い核弾頭の解体を続けていることによるものであり、実戦配備が可能でいつでも戦場に投入できる「軍事的備蓄」としての核弾頭は減少するどころか、逆に約130発増加し、総数9745発に達したと指摘。世界の核抑止力を巡るリスクは、総数の減少に伴って低下しているわけではないことが明らかになった。

欧州で核兵器重視の姿勢が復活、ウクライナ戦争がきっかけ

同報告書は、近年の国際情勢が各国の国防政策に与えた影響を深く分析している。SIPRIの大量破壊兵器プログラム研究員、ティティ・エラスト氏は、各国の政府間において現在、ある顕著な認識の変化が生じていると指摘する。それは、より多くの国の政策決定者が再び、核兵器を国家防衛や安全保障戦略に不可欠な手段と見なすようになってきているという点だ。こうした安全保障を巡る思考の転換は、欧州の地政学的な最前線において最も具体的に表れている。

エラスト氏はフィンランドとスウェーデンを名指しし、両国が歴史的な転換の最も代表的な例だと述べている。これら北欧2か国は、長年にわたり軍事非同盟の原則を堅持し、国際社会において核軍縮を積極的に支持、推進してきたことで知られる。

しかし、2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、深刻な安全保障上の脅威に直面した両国は、相次いで北大西洋条約機構(NATO)に加盟。NATOの正式な加盟国となって以降、両国の核兵器を巡る政策は短期間のうちに重大な構造的転換を遂げた。かつて核軍縮の先鋒であった両国が、現在ではNATO全体の核政策の枠組みに積極的に関与するようになり、さらには核兵器の実戦使用を想定した多国間軍事演習にも恒常的に参加し始めているとエラスト氏は指摘した。

核弾頭保有数、米ロが世界全体の86%

世界の核兵器保有数の分布を見ると、米国とロシアの超大国2強が依然として絶対的多数を維持している。統計によると、ロシアは現在5420発、米国は5042発の核弾頭を保有しており、両国の合計は世界全体の約86%を占める。これら2つの超大国は軍縮条約に沿って退役弾頭の解体を続けているものの、核兵器の質と精度の向上に向けた歩みを緩めてはいない。

現在、両国はそれぞれ大規模な核兵器の近代化計画を全力で推進しており、次世代の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や新型原子力潜水艦の開発・配備など、多岐にわたる項目に投資を行っている。 (関連記事: 習近平氏の訪朝で消えた「非核化」 北朝鮮の影響力拡大、台湾有事リスクにも波及か 関連記事をもっと読む

SIPRIの報告書は、現在世界には9カ国(米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、そして核保有を公式には認めていないイスラエル)で核兵器保有が確認または推定されていると指摘する。これら9カ国はいずれも現在、核兵器の近代化を進めており、より破壊力が大きく、より高いステルス性を備えた新型核弾頭の開発に加え、より多様な運搬手段(投射システム)のアップグレードにも大量に防衛費を投じている。

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