7月1日、台湾・雲林県長・張麗善氏を先頭にした専門家チームが、日本最大規模の在宅医療機関「悠翔会」を訪れ、在宅ケア強化の学びを得るために対話をスタート。現地からの驚きの指摘が、在地での高齢者支援の必要性を強く印象付けた。
雲林県の取り組み:「無壁病院」構想を始動
雲林県保健局は2024年から「在宅急症ケア付加価値プログラム」を導入。台大雲林分院、雲林基督教病院、北港附設病院(中国医薬大学附属)を統合し、山区・海岸線を跨ぐケアチームを編成。看護師によるケア品質報奨制度や院間コーディネーターの配置で、地方医療の空白を埋めている。
悠翔会:24時間365日支える強力な在宅医療体制
2006年に佐々木淳医師が設立し、全国25院・年間8,000名超を在宅支援する悠翔会。台湾チームは、夜間緊急往診やコールセンターによる迅速対応体制に注目し、これによって救急搬送や入院件数を大幅に抑制していると評価。
最も心に響いた言葉は、「高齢者は入院10日で身体機能が7歳分弱る」という一節。これこそが在宅ケア推進の重要性を強く物語っていた。
雲林の今後の展望
保健局長・曾春美氏は、日本視察を受けて3つの方針を報告:
1. 悠翔会のようなクラウド管理システムを導入
2. 専門人材に対するフィーの改善・予算拡大
3. 24時間支援センターの機能拡充に取り組む
張県長は、「家が最高のケア環境」となるよう、地域に根差した温かい医療体制の構築を目指すと強調した。
編集:梅木奈実 (関連記事: 仙台と台湾・台南、友好都市20周年で交流拡大 七夕祭りから始まった「二つの第一」の絆 | 関連記事をもっと読む )
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