イスラエルとイランの衝突が一時的に小康状態を迎える中、アメリカのトランプ大統領は2日未明、自身のSNS「Truth Social」を通じて突如として爆弾発言を行った。トランプ氏は、イスラエルが60日間の停戦条件に同意したと一方的に表明し、ハマスに対して、エジプトとカタールの仲介による「最終提案」を受け入れるよう強く迫った。この発言は、トランプ政権が停戦の機運を利用し、すでに約6万人の死者を出している壊滅的なガザ戦争の終結に向けた動きを加速させる狙いがあるとの見方が出ている。
トランプ氏は投稿の中で「イスラエルは『60日間の停戦』に必要な条件を受け入れた。我々はこの期間中、すべての関係者と連携して戦争の終結を目指す」と述べた。さらに、カタールとエジプトの代表者がハマスに対して「この最終提案」を正式に提示することになると説明した。
そしてトランプ氏は、ハマスに対して極めて強硬な口調で警告を発し、「中東の将来のためにも、ハマスがこの合意を受け入れることを望む。状況は決して良くはならない――悪化するだけだ」と断言した。
なお、現時点でイスラエルおよびハマスの双方から、このトランプ氏の投稿に対する公式な反応は出ておらず、一方的な発表に対する疑念も残されている。
再び「トランプ式解決」なのか?
トランプ氏の声明は、市場や国際社会に強い関心を呼び起こす一方で、相当な疑念も伴っている。現時点では、イスラエルが具体的にどのような停戦条件に同意したのかは明らかになっておらず、過去にトランプ氏が言及した停戦案が短期間で破綻した例もある。たとえば、今年1月の就任前にトランプ氏が仲介したイスラエルとハマスの停戦合意は、捕虜交換に関する相互非難が原因で、すぐに瓦解した経緯がある。
しかし、今回のトランプ氏の発言のタイミングは極めて重要である。トランプ氏がSNSに投稿を行ったのと同じ日、英紙『ガーディアン』は、イスラエルの戦略問題担当大臣ロン・ダーマー氏が、ワシントンでアメリカ国務長官マルコ・ルビオ氏および中東特使スティーブ・ウィトコフ氏と会談していると報じた。さらに、トランプ氏は来週月曜日、ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相を迎える予定である。
トランプ氏は、過去に成功を収めたイスラエルとイランの停戦仲介の実績を、今度はガザ問題の解決に向けた政治的資産として活用しようとしているようだ。氏は記者団に対し、来週にも「停戦と人質交換」合意が実現することに楽観的な見方を示し、ネタニヤフ首相との会談では「非常に強い姿勢」で臨む考えを明らかにした。ガザ停戦の早期実現がいかに重要であるかを強調し、「我々はそれが実現することを望んでいる。来週中には進展があると期待している。人質を救出したいのだ」と語った。 (関連記事: B-2爆撃後初の姿!イラン最高指導者、イスラエルに勝利と発言 「米国に強烈な一撃を加えた」 | 関連記事をもっと読む )
血なまぐさい背景下の「最終提案」
このいわゆる「最終提案」が提示された背景には、極めて悲惨な状況がある。今週月曜日、ガザの海岸沿いにあるカフェがイスラエル軍の攻撃を受け、医療当局によれば、子どもを含む24人から36人のパレスチナ人が死亡した。血まみれの惨状は再び国際社会に衝撃を与えた。