チャンネル創設のきっかけと理念
日本に暮らすYouTuber「東京走著瞧(東京歩いてみた)」は、パオパオ氏とウェイン氏の2人が運営するチャンネルだ。その出発点は、パオパオ氏の長年にわたる映像制作への情熱にある。風傳媒のインタビューで2人は「継続こそ最大の挑戦」と語る。

チャンネル名に込めた想い
チャンネル名「東京走著瞧」が生まれたのは2017年11月。きっかけは、東京を毎日歩き回るパオパオ氏の生活スタイルだった。地図を使わずに1日15〜16キロ歩き、「地元の人より東京を知っている」と語る彼は、視聴者にも“歩きながら見る東京”を体験してほしいと話す。
企画と挑戦、そして差別化
開設から8年目を迎えた今、2人は数々の挑戦を経てきた。大手企業の支援もなく、芸能人でもない彼らは、「歩いて千葉まで行ってみた」など体当たりの企画で注目を集めた。何万歩も歩く挑戦や、人気グルメの全制覇もその一つだ。

パオパオ氏の「散歩」に対する執着は、他にはない深みと継続性を生み出している。ウェイン氏によれば、「東京美食地図」や「ラーメン・寿司のエリア別攻略」などのコンテンツは、短期旅行では得られない取材の蓄積があってこそ可能なものだという。
信頼で結ばれる2人のチームワーク
2人はこれまで大きな対立もなく、判断はデータに基づいて行ってきた。今後は過去の人気動画のリメイクや、不動産紹介、在日台湾人の暮らしに関する企画など、多角的なテーマに広げていく予定だ。
2人のバックグラウンド

パオパオ氏は台湾在住時代から映像編集に携わり、2010年以前からYouTubeで活動していた。「東京走著瞧」は、彼にとって4〜5つ目のチャンネルにあたる。一方、ウェイン氏は2016年末から2018年にかけて東京で働いており、知人を介してパオパオ氏と出会った。当初は週末の撮影を手伝う形だったが、徐々にのめり込み、現在は企画・マーケティングを担当している。
チャンネル名の誕生秘話
「東京走著瞧」という名前は、六本木のマクドナルドでの雑談から生まれた。「東京」「歩く」というキーワードから「東京熱訊息」などの案が出るなかで、記憶に残りやすく、コンセプトに沿った今の名前に決まった。
コロナ禍でもつながる視聴者との絆
行動が制限されたコロナ禍では、独自企画に挑む一方で、視聴者からのフィードバックが大きな支えとなった。彼らの動画をもとに旅程を立てた人や、11日間の京都旅行を完全にトレースしたファンもいたという。ウェイン氏はライブ配信を頻繁に行っていた時期があり、多くの視聴者の名前を覚えている。新宿での食事会や、子連れのファンとの面会など、思い出深い交流も少なくない。
東京という永遠のテーマ
変化し続ける都市・東京を舞台に、「東京走著瞧」は常に新しいインスピレーションを受けてきた。現在、パオパオ氏は台湾、ウェイン氏は日本に住んでおり、テーマ別に役割を分担。干渉せず、尊重し合いながらも、同じ方向を目指している。
旅行系動画は今や飽和状態だが、2017年当時は動画で東京を紹介するスタイル自体が珍しかった。2人は手間やコストを惜しまず、映像の質を追求し続けている。
社会人として築いた信頼と分業
互いをプロとして尊重し、効率的に協働する関係性も、成功の理由の一つだ。学生時代からの友人ではなく、社会人として出会ったからこそ、適度な距離感と緊張感を保ちながら歩んできた。
編集:田中佳奈
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